病院指標について
厚生労働省において検討された全国統一様式による病院指標について本院のデータを以下のとおり公開いたします。
本指標は、平成27年度中の退院患者についての統計であり、一般病棟に1回以上入院した患者を対象にDPC調査データ様式1、様式4、
Dファイルのデータについて集計しております。
患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を掲載しています。
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
平成27年度に当院の一般病棟を退院された患者さんを10歳刻みの年齢階級別に集計しました。
年齢は、一般病棟に入院した時点のものを使用しています。
年齢構成を見ると、当院の患者構成や特徴をある程度知ることが出来ます。
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 948 | 179 | 216 | 424 | 575 | 929 | 1749 | 1875 | 1426 | 278 |
DPCでは最も医療費を要した病名と治療方法(手術や処置など)によって分類されます。
診療科ごとに症例数上位3つの診断群分類について集計しています。
指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
○DPCコード
診断群分類を表すコードです。
病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
○DPC名称
どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。
○平均在院日数
病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
○転院率
他の病院に移動し、継続して入院された患者さんの割合です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx99000x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 | 68 | 12.37 | 13.64 | 10.29 | 67.75 | |
100070xxxxxxxx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | 60 | 12.15 | 15.35 | 5.00 | 56.08 | |
110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(シャント設置術) | 51 | 18.49 | 9.71 | 9.80 | 69.92 |
症例数1位は、慢性腎炎症候群の加療、内シャント設置術をすでに行っている方の透析導入、維持透析の合併症の入院が含まれています。
症例数2位は、糖尿病の教育目的入院が中心です。
症例数3位は、慢性腎炎症候群の診断のための腎生検および継続加療や血液透析・腹膜透析導入目的で内シャント設置術や連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内設置術の入院です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx99100x | 肺の悪性腫瘍(気管支鏡検査等) | 78 | 2.12 | 3.29 | 0.00 | 71.77 | |
040080x099x0xx | 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) | 71 | 11.75 | 14.34 | 4.23 | 72.85 | |
040040xx9904xx | 肺の悪性腫瘍(化学療法あり) | 69 | 19.06 | 13.38 | 1.45 | 66.86 |
症例数1位の肺の悪性腫瘍については主に気管支鏡検査など検査目的の入院であるため、平均在院日数も短くなっています。
症例数2位の肺炎については市中肺炎の他、高齢者では医療・介護関連肺炎が増加する傾向にあるため、平均年齢が70歳を超えており、かつ高齢であるほど重症化、在院日数が長期化する傾向があります。
症例数3位の肺の悪性腫瘍については主に化学療法など治療目的の入院であるため平均在院日数が長く、平均年齢が低い傾向にあります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 115 | 10.70 | 10.93 | 8.70 | 72.84 | |
060020xx04x0xx | 胃の悪性腫瘍(内視鏡的粘膜下層剥離術等) | 59 | 11.34 | 9.20 | 5.08 | 75.08 | |
060140xx97x00x | 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) | 28 | 10.50 | 11.00 | 7.14 | 68.04 |
胆石で胆管が詰まって炎症が生じた場合は、チューブで胆汁の流出路を確保する(ステント留置)、胆石を除去する(乳頭切開術)などの内視鏡治療を行います。
次いで消化管の内視鏡治療として、胃がんに対する治療があります。
早期胃がんに対して上部消化管内視鏡を用いて治療を行います。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主な治療法となっています。
また、胃及び十二指腸潰瘍を原因とした上部消化管出血や憂幽門狭窄が生じた場合は、内視鏡的に止血術や拡張術を行います。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル検査) | 183 | 2.40 | 3.07 | 2.19 | 68.50 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈ステント留置術等) | 95 | 5.86 | 4.87 | 1.05 | 70.12 | |
050130xx99000x | 心不全 | 79 | 15.77 | 18.30 | 10.13 | 79.85 |
これは安定狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞を含みます。
冠動脈に狭窄があるからといって必ずしもステント留置が必要なわけではありません。
高齢者においては、ステント植え込みを行った場合術後に強力な抗血小板療法が必要となることも考慮し、ステント留置はおこなわず薬物療法を選択する場合もあります。
どのような治療法を選択するか、現在の投薬で良いかを決定する目的での心臓カテーテル検査が最多で、2番目がステント植え込み術となっています。
また特に高齢の虚血性心疾患患者では心不全合併をきたすことが多く、心不全治療目的入院が3番目に多くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070560xx99x0xx | 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 | 48 | 24.77 | 18.15 | 4.17 | 56.54 | |
070470xx99x2xx | 関節リウマチ | 12 | 29.42 | 26.73 | 8.33 | 71.58 | |
040080x099x0xx | 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) | 11 | 11.00 | 14.34 | 9.09 | 69.27 |
重篤(又は重症合併症)な合併症を併発した症例の入院もあり、血漿交換やステロイドパルス、エンドキサンパルス、免疫グロブリン大量点滴療法などを行っています。
2番目には、活動性が高く集学的な治療もしくは生物学的製剤の導入が必要な関節リウマチの方の入院が多くなっています。
3番目には、平均70歳代の高齢者呼吸器感染症です。免疫抑制療法中には重症化する場合もあり、入院加療の上、点滴加療で早期退院を目指しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040080x1xxx0xx | 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) | 386 | 5.82 | 5.72 | 0.78 | 1.38 | |
040100xxxxx00x | 喘息 | 126 | 5.63 | 6.31 | 0.00 | 3.86 | |
150010xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 | 66 | 4.11 | 5.50 | 0.00 | 3.71 |
当科で最も多い症例は肺炎、急性気管支炎、喘息などの呼吸器疾患、次に多いのがウィルス性腸炎などの消化器疾患です。
全体としては、感染症による入院が過半数を占めています。
そのほとんどがかかりつけ医からの紹介による緊急入院で、必要に応じて抗生剤点滴、酸素使用などによる入院治療を行っています。
退院後は、かかりつけ医への逆紹介のうえ、外来での経過観察をお願いしております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) | 78 | 7.78 | 6.96 | 0.00 | 62.18 | |
060035xx0100xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 | 53 | 19.92 | 17.41 | 13.21 | 73.21 | |
060020xx01x0xx | 胃の悪性腫瘍 | 35 | 21.03 | 20.63 | 17.14 | 68.91 |
胆嚢結石に伴い胆嚢炎を起こされた患者さんは、まず抗生剤等で内科的治療を行い、いったん退院いただき、その後手術を行う方針です。
手術法も腹腔鏡を用いてできるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。
癌で最も多いのは直腸癌に対する直腸切除術です。手術症例数は年々増加傾向にあります。腹腔鏡手術も積極的に導入しています。
胃癌の手術症例数は横ばい傾向です。早期癌症例では腹腔鏡手術も取り入れています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 | 149 | 18.17 | 28.70 | 81.88 | 84.30 | |
160760xx97xx0x | 前腕の骨折 | 62 | 5.27 | 5.70 | 8.06 | 57.45 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) | 37 | 13.43 | 21.52 | 64.86 | 75.38 |
その主な疾患が、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折(前腕骨折)、胸・腰椎圧迫骨折です。
その中でも大腿骨近位部骨折(股関節大腿近位骨折)が最多であり、入院後、早期に手術を行い、地域連携パスを用いて、術後2週を目安にリハビリ病院へ転院できるよう運用しています。
次に多いのが、橈骨遠位端骨折(前腕の骨折)で、転位があるものに対しては、受傷後早期に腕神経ブロックを用いて手術を行い、術後1週以内に自宅へ退院としています。
3番目に多いのが、胸・腰椎圧迫骨折(胸椎、腰椎以下骨折損傷)ですが、ほとんどがコルセットによる保存療法を選択され、疼痛が軽減し歩行訓練ができるようになったら、リハビリ病院へ転院する運びとなっていますが、転院先がなかなか決まらないケースが多く、平均2週で転院となっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍(手術あり) | 35 | 20.71 | 13.03 | 8.57 | 68.23 | |
090010xx03x0xx | 乳房の悪性腫瘍(腋窩リンパ節郭清手術なし) | 30 | 10.57 | 6.79 | 3.33 | 64.30 | |
090010xx01x0xx | 乳房の悪性腫瘍(腋窩リンパ節郭清を伴う手術) | 15 | 15.73 | 11.63 | 0.00 | 61.13 |
№2の乳房悪性腫瘍の患者さんは、乳房温存手術でセンチネルリンパ節生検の結果、腋窩リンパ節郭清手術を行わなかった方です。
№3の乳房悪性腫瘍の患者さんは、腋窩リンパ節郭清を伴う乳房温存手術または乳房切除術を受けられた方です。
通常は、切除後にドレーンの挿入が必要となり、入院期間も10日間から2週間程度で№2の患者さんよりやや長くなります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍 | 77 | 7.66 | 6.34 | 0.00 | 49.51 | |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 | 77 | 7.22 | 6.50 | 2.60 | 46.61 | |
120090xx97xxxx | 生殖器脱出症 | 38 | 10.79 | 9.53 | 0.00 | 69.92 |
基本的には良性の腫瘍で、女性ホルモンにより筋腫は大きくなりますが、逆に閉経後には小さくなります。複数個できることが多く、大きさやできた場所によって症状は違ってきます。代表的な症状は過多月経と月経痛ですが、
①子宮の内側(粘膜下筋腫):不正性器出血、不妊症の原因
②子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)大きくなると不正性器出血、流早産の原因
③子宮の外側(漿膜下筋腫):大きくなるまでは症状が乏しい などの症状があります。
診断は外来の一般的な診察と超音波で簡便に診断でき、大きな筋腫や手術を考えるときにはMRI検査を行います。
また大きな筋腫では約0.5%に子宮肉腫が含まれています。
当科で行っている手術は
①筋腫だけを取る筋腫核出術(腹腔鏡手術が主、開腹手術)
②子宮を取ってしまう子宮全摘術(腹腔鏡手術が主、開腹手術) です。
2)卵巣腫瘍
一般に腫瘍が小さいときは無症状のことが多く、日常生活に支障はありません。
卵巣腫瘍の付け根がねじれること(卵巣腫瘍茎捻転)があり、激しい下腹痛が出現することがあります。
卵巣腫瘍の破裂も同様な症状を認めます。
また時に直径20㎝を超えるような巨大腫瘍になることがあり(間違って最近太ってきたと思われることもあるようです)、
妊婦のようにお腹が前に突き出ることがあります。
腫瘍が大きくなると膀胱や直腸の圧迫による頻尿や便秘、リンパ管の圧迫による下肢浮腫などが起こります。
当科では主に腹腔鏡下手術により腫瘍を摘出しています。悪性が疑われるときは基本的には開腹術を行っています。
3)生殖器脱出症(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤)
子宮下垂・脱は、子宮が正常の位置より下降してきたもので、ひどくなると外陰部より子宮の一部または全部が脱出します。
多くの場合、子宮が下降する時は、腟・膀胱・直腸などの臓器も引き連れて下がってきます。
程度の軽いものでは無症状ですが、ひどくなると、お腹に力がかかった時(歩行時、重いものを持った時、入浴時など)に何かが出てくる感じですが、力がぬけると感じなくなります。
さらに症状が進むと、ピンポン球くらいの丸くて固いもの(子宮腟部)が外陰部に触れ、さらにひどくなると子宮が子宮腟部を先頭に腟壁とともに周囲の臓器も下がり、裏返った状態になり、排尿障害や排便障害の原因にもなります。
また、子宮はほとんど下がらないのに膀胱や直腸だけが腟壁と一緒に下がってくることもあります。
当科で行っている治療は主に
①腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)
②腟式子宮全摘術+前後腟壁形成術
③ペッサリー挿入 です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 | 63 | 5.13 | 5.53 | 0.00 | 39.00 | |
030428xxxxxxxx | 突発性難聴 | 31 | 6.42 | 9.60 | 0.00 | 56.81 | |
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 28 | 9.54 | 8.20 | 0.00 | 22.79 |
ほとんどの症例では抗生剤などの点滴加療で保存的に治癒が可能です。
2.突発性難聴内耳疾患である感音難聴の中でも急性に発症する突発性難聴は治癒の可能性のある難聴である事が知られています。
急性期に受診された症例(発症1ヵ月以内)には入院の上ステロイド点滴加療(約1週間)をお勧めしています。
ただ内耳神経疾患であり陳旧例では治癒困難である事を説明の上、保存的に定期聴力検査を行っています。
3.扁桃・アデノイドの慢性疾患
幼小児期のアデノイド肥大は上気道炎・急性中耳炎の原因となり、ひいては滲出性中耳炎を引き起こすため手術適応になる場合があります。
また成人の慢性扁桃炎も感染を繰り返す場合には手術適応となります。ともに外来診察の際、相談の上判断しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010160xx99x00x | パーキンソン病 | 24 | 17.92 | 19.00 | 0.00 | 73.96 | |
010060x099000x | 脳梗塞(JCS10未満) | 17 | 11.59 | 15.80 | 17.65 | 75.12 | |
010155xxxxx00x | 運動ニューロン疾患等 | 17 | 6.06 | 15.23 | 0.00 | 64.06 |
多くの患者さんは外来でパーキンソン病の診断がなされ、通常抗パーキンソン病薬の調節やリハビリテーション目的で入院されます。
同じ変性疾患でも運動ニューロン疾患の場合は診断目的で入院されることが多く、診断後は速やかに外来加療への移行を目指します。
そのため、同疾患の平均在院日数は約6日です。
当院に入院する脳梗塞は開眼していて意識障害の軽い方が多く、平均在院日数11.6日、転院率17.7%で、脳梗塞全体のデータに比べより早期にかつ高率に在宅復帰が可能なことが示されています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 34 | 6.82 | 8.97 | 0.00 | 69.12 | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物 | 27 | 2.74 | 4.38 | 0.00 | 54.00 | |
080011xx99xxxx | 急性膿皮症 | 27 | 7.48 | 11.97 | 0.00 | 61.48 |
皮膚の良性新生物は粉瘤や母斑細胞母斑(ほくろ)を中心とした良性腫瘍の手術を入院で行っています。
急性膿皮症の多くはブドウ球菌や溶連菌による丹毒、蜂窩織炎という皮膚の感染症で、高熱が出たり腫脹や痛みが強い場合に入院して抗生剤の点滴治療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 | 89 | 13.37 | 7.59 | 1.12 | 75.19 | |
11012xxx040x0x | 上部尿路疾患(体外衝撃波・腎尿管結石破砕術) | 74 | 4.49 | 2.89 | 1.35 | 56.54 | |
11012xxx020x0x | 上部尿路疾患(経尿道的尿路結石除去術等) | 45 | 8.78 | 5.91 | 0.00 | 56.09 |
上部尿路結石(腎・尿管結石)の治療は、体外衝撃波による治療と経尿道的治療(内視鏡治療)があり、2番目に多いのが体外衝撃波、3番目に多いのが経尿道的治療(内視鏡手術)ですが、体外衝撃波の治療は1回で完結しないこともあり、このため経尿道的治療より多くなっています。
部位別の5大癌のUICC病期分類、又は取扱い規約による初発ならびに再発患者数を集計しました。
平成27年度中に退院した延患者数となっております。
(例えば一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、同一患者に入退院を繰り返した回数分をかけた延患者とする)
UICC病期分類とは国際対がん連合(UICC)によって定められ、取扱い規約とはわが国の学会・研究会で作成しており、
①原発巣の大きさと進展度
②所属リンパ節への転移状況
③遠隔転移の有無
の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 86 | 14 | 21 | 56 | - | 12 | 1 | 6,7 |
大腸癌 | 34 | 45 | 35 | 69 | - | 53 | 1 | 6,7 |
乳癌 | 29 | 28 | 11 | - | - | 10 | 1 | 7 |
肺癌 | 48 | 23 | 39 | 107 | - | 54 | 1 | 7 |
肝癌 | - | 10 | - | - | - | 14 | 2 | 5 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
大腸がんは、初回診断時に早期がんから進行がんまで満遍なく多い傾向があり、当院でも外科での手術治療が中心的役割を果たしています。
一方、胃がんでは早期発見例が増加してきていて、それらの患者さんでは内視鏡切除術を受けておられる方が増えています。
一方で、外科で根治的切除を受けられる方も多いものの、根治不可能ながら姑息的外科手術を受ける進行がんの患者さんも多い傾向があります。
肺がんは、外科的切除を受けられる患者さんもそれなりに多いものの、最初からあるいは再発後に化学療法や放射線治療のために何度も入院治療を繰り返し受けられる方も非常に多いようです。
乳がんの初回治療の多くは外科で手術を受けられていますが、再発後もホルモン療法や化学療法を外来で続ける患者さんが非常に多いようです。
成人の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。
成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(A-DROP)を用いています。
この指標では入院のきっかけとなった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名が、細菌による肺炎のものを集計しており、インフルエンザウイルス等のウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎等は集計対象外となっています。
○成人市中肺炎 普段の生活の中で成人がかかる肺炎のことです。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
重症度 0 | 28 | 9.36 | 56.18 |
重症度 1 | 49 | 13.31 | 76.84 |
重症度 2 | 41 | 14.68 | 81.39 |
重症度 3 | 19 | 16.42 | 80.95 |
重症度 4 | - | - | - |
重症度 5 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
成人市中肺炎は重症度が上がるほど高齢である傾向が認められ、かつ在院日数も長くなる傾向があります。
また、前医(ご紹介いただいた医院や病院)での治療が奏功しなかったなどの理由で軽症と判定されても入院加療となることがあります。
ICD-10コード別に脳梗塞等の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
ICD-10コードとは国際疾病分類(ICD-10)に基づき傷病名を分類し、コード化したものです。
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 34 | 20.62 | 77.06 | 35.9 |
その他 | - | - | - | - | ||
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I679 | 脳血管疾患,詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - |
高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などの基礎疾患を伴うことが多いため、平均年齢は約77歳と高齢です。
入院直後より内服・点滴による加療を行うとともに、全身状態を考慮しながら早期よりリハビリテーションも開始し、平均在院日数は約21日、後方支援病院への転院率は35.9%となっています。
症例数の多い診療科ごとの手術について、上位3つを集計しています。
手術術式の点数表コード(Kコード)による集計とし、輸血関連(K920$)や創傷処理等の軽微な手術、加算等は除外しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K610-3 | 内シャント設置術 | 107 | 8.42 | 17.54 | 7.48 | 70.93 | |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | 14 | 9.43 | 27.36 | 0.00 | 59.07 | |
K616-4 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 | 10 | 3.00 | 4.90 | 0.00 | 75.50 |
泌尿器科の先生と連携して手術を行って頂いています。症例数1位の内シャント設置術は、内シャント設置術のみ、内シャント設置術から透析導入まで、維持透析患者さんのシャントトラブルによる再内シャント設置術が含まれています。
症例数2位の連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内設置術は、挿入後腹膜透析導入まで行っていますので入院期間が長くなっています。
経皮的シャント拡張術・血栓除去術は基本的に外来治療を行っていますが、合併症の危険性が高い場合のみ入院加療を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 367 | 1.05 | 1.25 | 0.27 | 66.56 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 95 | 1.27 | 12.25 | 13.68 | 76.32 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) | 57 | 1.35 | 7.51 | 8.77 | 71.09 |
ポリペクトミー目的の2泊3日入院が典型的な症例です。次いで胆道疾患や肝臓疾患に対して行われる内視鏡手術である胆道ステント留置術の症例が多くなっています。
これは、様々な病態で狭窄した胆道にチューブや金属のステントを留置し、胆汁の流れを良くする手術です。
この手術は、癌による閉塞性黄疸に対して化学療法前に減黄目的で行われたり、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術(乳頭切開術)などの他の手術の前段階として行われることも多く、術後日数が長くなる傾向があります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 91 | 1.69 | 4.37 | 1.10 | 69.68 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) | 26 | 0.04 | 15.19 | 3.85 | 70.73 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 21 | 2.62 | 9.19 | 9.52 | 81.81 |
高齢者の増加に伴い完全房室ブロックをきたす患者も増加しており、ペースメーカー植え込み術が3番目となっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7151 | 腸重積症整復術(非観血的) | 10 | 0.00 | 1.10 | 10.00 | 1.30 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 92 | 1.58 | 5.27 | 0.00 | 61.11 | |
K6335 | ヘルニア手術5.鼠径ヘルニア | 66 | 1.59 | 4.14 | 0.00 | 68.26 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 48 | 4.88 | 17.38 | 14.58 | 74.44 |
胆嚢結石に伴い胆嚢炎を起こされた患者さんは、まず抗生剤等にて内科的治療を行い、いったん退院いただき、その後手術を行う方針です。
手術法も腹腔鏡を用いてできるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。
鼠径ヘルニアに対しては、鼠径部を切開して行う前方アプローチの手術がほとんどです。腰椎麻酔での手術が可能です。
人工物(メッシュ)を使用しダイレクトクーゲル法やPHS法を主体に行っています。
癌に対する手術で最も多いのは結腸癌に対する結腸切除術です。手術症例数は年々増加傾向にあります。腹腔鏡下手術も積極的に導入しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 113 | 1.24 | 14.75 | 76.99 | 79.83 | |
K0462 | 骨折観血的手術(下腿) | 77 | 1.10 | 9.31 | 32.47 | 59.64 | |
K0821 | 人工関節置換術(股) | 72 | 2.83 | 23.69 | 30.56 | 70.75 |
その中でも、骨粗鬆症関連の大腿骨近位部骨折の患者が最多で、大腿骨転子部骨折では、ほとんどの患者が骨接合術の適応となるため、骨折観血的手術(大腿)が最も多くなっています。
次に多い外傷として足関節骨折・下腿骨骨折が挙げられ、荷重関節や荷重肢であることから、ほとんどが骨折観血的手術(下腿)の適応になっています。
早期手術と強固な内固定により、早期の機能回復、社会復帰を目指しています。
また、下肢の関節外科(主に人工関節)を専門とする医師が多いことも特徴で、特に股関節の治療に精通しているため、近隣の病院からの紹介も増えてきており、年々、人工関節置換術(股)が増加しているという傾向があります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 30 | 2.30 | 7.27 | 3.33 | 64.30 | |
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 15 | 4.20 | 18.00 | 13.33 | 68.13 | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 11 | 4.18 | 12.27 | 0.00 | 69.36 |
K514-23の患者さんは、原発性または転移性肺癌に対して、胸腔鏡下に標準手術である肺葉切除またはそれより多くの肺の根治的な切除を受ける方です。
K514-21の患者さんは、原発性または転移性肺癌に対して、肺機能を温存できる部分切除術を受ける方です。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 115 | 1.45 | 5.98 | 1.74 | 48.38 | |
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 56 | 1.36 | 5.36 | 0.00 | 50.84 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 52 | 4.02 | 7.87 | 1.92 | 32.46 |
腹腔鏡下付属器摘出術、卵巣腫瘍核出術良性の卵巣腫瘍が手術の対象となります(悪性が疑われる場合は開腹術を選択します)。
若い女性で妊孕性を考え卵巣の一部を温存したい場合は核出術を選択し、そうでない場合は付属器摘出術を行います。
摘出臓器は基本的には臍部より摘出します。10㎝以上の大きい腫瘍でも内容を吸引することにより摘出が可能です。
妊娠中での手術は14週前後に手術を行い、16週以降になると視野が悪くなり、手術が困難になります。
2)腹腔鏡下腟式子宮全摘術
・腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術(LAVH:laparoscopically assisted vaginal hysterectomy)
子宮の良性疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症など)を対象とし、
1.経腟分娩の既往があるものを原則とします
2.子宮の大きさは小児頭大以下(推定800g以下)とします
3.開腹術の既往があっても手術可能であるが、ダグラス窩の強度の癒着が予想あるいは確認された症例は除外します
4.巨大広靭帯内・頸部筋腫は除外します
・全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH:total laparoscopic hysterectomy,)
1.LAVHや腟式子宮全摘術など経腟的なアプローチが困難な症例に
(未経産症例や既往帝切例など経腟分娩の既往がない症例、子宮内膜症などによる骨盤内癒着を疑わせる症例、
子宮が大きくて小骨盤腔に入ってこない症例)適しています。
子宮の回収は経腟的ですが、大きくて経腟的に困難である場合は、電動モルセレーターやロトカットなどを使用し回収することもあります。
3)帝王切開術
帝王切開術にはあらかじめ日時を決めて行う予定帝王切開術と経腟分娩のトラブル(母児の状態が悪化した場合や、分娩の進行不良など経腟分娩が困難と判断)から行われる緊急帝王切開術があります。
①予定帝王切開術
前回帝王切開術の既往、子宮筋腫核出術などの既往、骨盤位など胎位・胎勢の異常、前置胎盤(異常出血があるときは緊急帝王切開術の場合もある)など
②緊急帝王切開術
常位胎盤早期剥離、胎児機能不全、重症妊娠高血圧症候群、臍帯下垂・脱出、遷延分娩・分娩停止など、腹壁切開は下腹部縦切開と恥骨上部数㎝を横切開する下腹部横切開法(Pfannestiel法など)があり、子宮筋層は原則として子宮下部横切開を行います。麻酔法は腰椎麻酔・硬膜外麻酔が主流ですが、常位胎盤早期剥離や臍帯脱出など緊急を要する場合は全身麻酔を行うこともあります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) | 131 | 0.01 | 2.00 | 0.00 | 74.87 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 34 | 1.29 | 7.21 | 0.00 | 22.97 | |
K340-4 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) | 26 | 1.27 | 4.23 | 0.00 | 59.65 | |
K319 | 鼓室形成手術 | 12 | 1.17 | 11.25 | 0.00 | 35.25 |
成人の慢性扁桃炎で年に数回急性炎症を繰り返す際、小児の扁桃肥大で夜間の呼吸困難(いびき・無呼吸)などを認める際には手術をお勧めしています。
全身麻酔下の手術で術後出血予防のため術後1週間の入院安静を必要とします。
2.内視鏡下副鼻腔手術
慢性副鼻腔炎の保存加療にて治癒困難例に対し、入院の上全麻下に内視鏡下手術を行っています.症例の重症度に合わせて各手術形式の適応を判断しています。入院期間は通常4-5日となっています。
3.鼓室形成術
真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、癒着性中耳炎などに対し入院の上全麻下に手術を行っています。各症例の重症度に合わせて鼓室形成術の手術形式の適応を判断しています。入院期間は10日~2週間程度となっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 16 | 0.00 | 1.31 | 0.00 | 81.00 | |
K0052 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)2. 長径2cm以上4cm未満 | 11 | 0.00 | 1.27 | 0.00 | 53.91 | |
K0051 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)1. 長径2cm未満 | 10 | 0.20 | 1.90 | 0.00 | 48.50 |
1番目多いのは基底細胞癌、有棘細胞癌などの皮膚癌の手術です。
2番目と3番目に多い皮膚・皮下腫瘍摘出術は粉瘤や母斑細胞母斑(ほくろ)などの皮膚の良性腫瘍の手術で、大きさによってKコードが分かれています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 97 | 3.90 | 9.69 | 1.03 | 74.65 | |
K768 | 体外衝撃波腎尿管結石破砕術(一連につき) | 71 | 1.20 | 3.73 | 1.41 | 55.63 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 58 | 3.50 | 6.52 | 0.00 | 57.17 |
2番目に多い手術は、腎・尿管結石に対し、体外衝撃波を用い、結石を破砕し、排石を促す手術です。
3番目に多い手術は、腎・尿管結石に対し、尿道より細い内視鏡を尿管に挿入し、レーザーで結石を確実に破砕する手術です。
○DPCコード
14桁あるDPCコードのうち、上6桁で集計しています。
DPCコード6桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。○播種性血管内凝固
感染症等によって起こる、全身性の重症な病態です。
○敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。
○真菌
真菌による感染症です。
○手術・術後の合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。
術後出血や創部感染等が挙げられます。
合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。
○入院契機
DPCコードにて分類される包括請求の対象となる病気(DPC病名)とは別に、入院の契機となった
病気(入院契機病名)がそれぞれの入院患者さんにつけられています。
DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
「同一」は、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。
「異なる」は、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気
(この指標の場合は、播種性血管内凝固や敗血症、真菌症、手術・術後の合併症)
による治療が主だったものになってしまったことを表します。
○発生率
全退院患者数に対する発生率です。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 13 | 0.15 |
異なる | 3 | 0.03 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 58 | 0.67 |
異なる | 5 | 0.06 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 4 | 0.05 |
異なる | 0 | 0.00 | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 42 | 0.49 |
異なる | 2 | 0.02 |
手術・処置等の合併症は0.51%ですが、ほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一であり、入院中に生じたものではなく、合併症を主として入院されているということです。
疾患の内訳では透析シャント閉塞や術後出血が多く見られます。
グラフの通り、10歳未満の小児と60歳以降の年代に患者年齢層のピークがあり、2峰性となっています。
一番のピークは70代にあり、約22%ですが、それ以降の年代で合計3,579例(約42%)と当院でも、入院患者の多くは高齢者であることが分かります。
各年代別で多い疾患を見ると、
10歳未満では気管支炎、小児喘息などの呼吸器系疾患が大部分であり、
10代では急性虫垂炎、
20代では扁桃炎や卵巣病変が多く見られました。
30代では子宮頚部異形成や切迫早産、
40代では子宮筋腫、大腸ポリープが多く、腎不全も多くなります。
50代になると大腸ポリープに加えて、労作性狭心症、胆石症、尿路結石症が増えており、
60代では大腸ポリープについで肺癌、前立腺癌、直腸癌といった悪性腫瘍が主要な疾患となっていました。
70代では大腸ポリープ、労作性狭心症、前立腺癌などが多く、
80代以降ではうっ血性心不全、大腿骨骨折、肺炎が多くなります。
年代別に多い疾患を知ることで、ご自分の健康管理の参考にしていただければと思います。