令和6年度 JCHO諫早総合病院 病院情報の公表

病院指標、医療の質指標について

厚生労働省において検討された全国統一様式による病院指標、医療の質指標について本院のデータを以下のとおり公開いたします。本指標は、令和6年度中(令和661日~令和7531日)の退院患者についての統計であり、一般病棟に1回以上入院した患者を対象にDPC調査データを基に集計しております。

患者数が10未満の数値の場合は、­(ハイフン)を掲載しています。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 640 290 210 338 526 887 1550 2809 1845 514

当院は地域の急性期医療を担う役割を有している病院で、DPC対象者は9,609人でした。患者年齢層はR3~R5年度と同様、70歳代をピークとする高齢者の入院が目立ちます。平均年齢は63.19歳、中央値は71歳で、60代以降の年代で合計6,718例(69%)となり、入院患者の高齢化は変わりません。
各年代別で多い疾患を見ると、
10歳未満では小児喘息、気管支炎が多いことに変化はありませんが、今年度は上腕骨骨折症例が多くなっています。
10代では骨折症例、マイコプラズマ肺炎症例が増加しています。
20代では慢性扁桃炎が最も多く、手の骨折症例が多く見られました。
30代では既往帝王切開後妊娠、子宮頸部異形成、子宮筋腫の順となっていることから女性疾患が多いことがわかります。
40代では子宮筋腫、子宮頚癌、子宮内膜増殖症、子宮頚部高度異形成の順で多く、女性疾患が多いことがわかります。
50代では大腸ポリープが圧倒的に多く、ついで尿管結石症、以下、慢性腎不全、前立腺癌、子宮内膜増殖症の順でした。
60代では大腸ポリープが最多ですが、前立腺癌が2位で増加傾向が見られました。
70代ではアルツハイマー型認知症症例が急増し最も多く、ついで大腸ポリープ、上葉肺癌、前立腺癌、末期腎不全の順でした。
80代では慢性うっ血性心不全が最多で、ついで誤嚥性肺炎、前立腺癌、白内障と続きます。
90代以降でも慢性うっ血性心不全が最多ですが、転倒による大腿骨(転子部・頚部)骨折が多くなっています。
年代別に多い疾患を知ることで、ご自分の健康管理の参考にしていただければと思います。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (シャント設置術等) 83 10.12 7.38 10.84 72.45
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (手術・処置なし) 61 9.23 11.35 8.20 64.98
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 40 15.98 20.78 42.50 84.05
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (人工腎臓その他の場合) 37 9.49 13.75 5.41 73.35
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 (経皮的腎生検法) 33 5.03 6.01 0.00 57.48

【腎臓内科】
「慢性腎炎症候群・慢性腎不全(シャント設置術等)」は、透析患者のシャント閉塞でシャント再建術目的での入院です。シャント発達に時間がかかり在院日数は多めに出ています。また末期腎不全患者のシャント造設術のみや腹膜透析導入患者も含まれます。「慢性腎炎症候群・慢性腎不全(手術・処置なし)」は、IgA腎症に対するステロイドパルス目的やCKD(慢性腎臓病)教育入院の患者です。「慢性腎炎症候群・慢性腎不全(人工腎臓その他の場合)」は、主に末期腎不全の透析導入です。「慢性腎炎症候群・慢性腎不全(経皮的腎生検法)」は、腎生検目的で入院し、多くの患者は後日外来で結果説明を行っています。
【総合診療科】
症例数3位の「誤嚥性肺炎」は、口腔内の環境不良、胃食道逆流症、嚥下機能低下などで起こりやすく、特に高齢者で起こりやすい疾患です。高齢者の増加に伴い、誤嚥性肺炎の症例は増えてきている傾向にあります。誤嚥性肺炎の治療としては、抗菌薬で治療をすることと同時に口腔ケア、嚥下訓練、安全な食事形態の調整をして、早期の経口栄養摂取状況改善を目指していきます。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍(気管支鏡検査等) 120 2.29 3.03 0.00 73.94
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍(化学療法・定義副傷病あり) 36 14.06 13.08 2.78 71.72
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍(手術・処置なし) 34 15.53 13.41 29.41 75.26
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 29 16.79 16.40 17.24 86.10
040150xx99x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 28 30.57 22.28 21.43 74.64

呼吸器内科では、肺の悪性腫瘍、主に肺癌の患者さんが多くなっており、症例数1、2、3位が肺癌に関するものです。症例数1位の「肺の悪性腫瘍」については気管支鏡検査目的の入院であるため平均在院日数が短くなっています。症例数2、3位の「肺の悪性腫瘍」については、化学療法など治療目的の入院であるため平均在院日数がやや長めで平均年齢はそれぞれ約71歳、75歳となっています。症例数4位の「肺炎」は高齢者が多く、平均年齢は86歳となっており、平均在院日数も長くなっています。症例数5位の「肺・縦隔の感染、膿瘍形成」については、4位の肺炎よりも治療が長期化するために平均在院日数が長くなっています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 389 2.86 2.57 0.00 68.12
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 122 9.89 8.88 10.66 76.71
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 31 9.65 7.45 0.00 74.71
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 26 15.04 11.52 15.38 74.31
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 25 7.88 7.60 4.00 69.12

消化器内科の最も多い症例は、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡切除であり、短期的・低侵襲的に加療を実施します。次いで胆管結石や胆管炎といった胆道疾患があげられます。胆石で胆管が詰まって炎症が生じた場合は、チューブで胆汁の流出路を確保する(ステント留置)、胆石を除去する(乳頭切開術)などの内視鏡治療を行います。消化管の内視鏡治療として、胃がんに対する治療があります。早期胃がんに対して上部消化管内視鏡を用いて治療を行います。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主な治療法となっています。膵臓、脾臓の腫瘍は主として膵癌の症例となります。膵癌は診断時点で進行していることが多く、そのほとんどは手術適応にならず、化学療法を行うことが多い疾患です。また、膵腫瘍のため下部胆管閉塞に伴う閉塞性黄疸を来すことがあり、その場合には内視鏡的胆道ドレナージ術(EBD)を行います。憩室性疾患は主として大腸憩室に由来する疾患であり、大腸憩室出血や大腸憩室炎があります。出血に対しては内視鏡的止血術を行い、憩室炎に対しては抗生剤投与にて治療を行います。再発を繰り返したり、内科的治療で軽快しない場合には、外科にて手術治療を行います。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 (心臓カテーテル検査等) 115 2.26 3.07 5.22 68.14
050130xx9900x0 心不全(手術・処置なし) 105 18.30 17.33 14.29 86.14
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 66 3.79 4.18 0.00 69.98
050210xx97000x 徐脈性不整脈 58 11.00 9.59 6.90 82.72
050030xx03000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞(経皮的冠動脈形成術等) 56 14.88 11.37 8.93 72.00

循環器内科の診断群分類の上位は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対する検査・治療(PCI)、心不全の検査・治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術が占めています。

リウマチ科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 47 17.94 14.93 0.00 65.28
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 17 17.71 20.78 29.41 87.18
070470xx99x2xx 関節リウマチ(処置あり) 14 21.21 16.42 7.14 78.64
070470xx99x0xx 関節リウマチ 12 10.08 15.00 0.00 62.75
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) - - 16.40 - -

令和6年度のリウマチ科は、「重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患」の患者数が前年度より増加していました。疾患別の内訳は、関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、巨細胞性動脈炎)、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症の順で多い傾向にありました。各疾患分類では平均年齢が高くなり、誤嚥性肺炎などの合併症での入院も増加しており、高齢化の影響がでていると思われます。合併症も含めてリウマチ性疾患の患者様が適切な治療を受けられるように、引き続きスタッフ一丸となって頑張っていきたいと思います。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 128 7.13 6.38 0.00 1.93
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 102 5.48 6.22 0.00 2.07
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 50 6.18 5.61 0.00 6.88
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 28 4.43 5.55 0.00 5.82
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 21 4.48 6.98 0.00 3.67

当院は諫早市、雲仙市を中心に地域の開業医の先生から紹介された全ての小児患者を受け入れています。主な疾患は急性気管支炎、肺炎、喘息などの下気道感染症です。軽症~中等症であればCOVID-19も入院診療を行っています。また新生児治療室では(原則)在胎36週以上の早産児、低出生体重児の治療を行います。
集中治療や高度な専門医療を必要とする重症患者は長崎大学病院や長崎医療センターと連携して、速やかに転院搬送を行うよう心がけています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 91 6.19 4.54 1.10 69.42
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍(結腸切除術、全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等) 72 19.03 14.81 5.56 74.26
060150xx03xxxx 虫垂炎(腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 44 7.07 5.32 0.00 43.61
060335xx0200xx 胆嚢炎等(腹腔鏡下胆嚢摘出術) 39 8.31 7.05 0.00 64.31
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(腹腔鏡下胆嚢摘出術) 33 6.85 5.99 0.00 63.64

鼠径ヘルニアに対しては、そのほとんどを腹腔鏡で施行しています。
癌に対する手術で最も多いのは結腸癌に対する結腸切除術です。その多くを腹腔鏡下手術にて行っていますが、ロボット支援下手術も導入しています。
胆嚢結石症等に対してもそのほとんどを腹腔鏡を用いて施行しております。
虫垂炎に対しては、症例によっては抗生剤にて治療を行った後に待機的に腹腔鏡下手術を行う症例もあります。
総じて、腹腔鏡を用いた手術を中心に行い、大腸癌に関してはロボット支援下手術が増加し、できるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折(人工骨頭挿入術) 149 21.58 25.29 81.21 84.17
160760xx01xxxx 前腕の骨折(骨折観血的手術) 90 9.06 5.95 11.11 61.82
070080xx97xx0x 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢) 49 2.88 6.57 0.00 65.80
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 48 2.94 3.94 0.00 30.52
160620xx02xxxx 肘・膝の外傷(スポーツ障害等を含む) 43 12.00 6.55 9.30 49.07

令和6年度は、高齢化に伴う骨粗鬆症関連の大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折(前腕骨折)入院患者が多くなっていました。また、手外科専門医が常勤していることもあり、腱鞘炎・手指・手関節の骨折・肘関節手術などの手外科疾患や、膝関節専門医が常勤しているため膝関節鏡手術が多くなっています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり) 17 10.35 9.83 35.29 81.41
010060xx99x40x 脳梗塞(エダラボン) 13 14.77 16.89 61.54 70.85
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 12 7.33 7.99 25.00 70.17
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) - - 39.52 - -
030390xx970xxx 顔面神経障害 - - 9.51 - -

高齢化社会の背景もあり、認知症の要因ともなり得る慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症患者が比較的多い傾向にあります。脳卒中に関しては、超急性期脳梗塞に関しては、rt-PA投与の適否を判断、くも膜下出血、脳内出血に関しても手術の可否を専門的に判断し急性期治療を行っています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx ①肺の悪性腫瘍(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術) 38 14.76 9.82 2.63 70.34
090010xx02xxxx ②乳房の悪性腫瘍(腋窩部郭清を伴わない手術) 21 9.62 5.50 0.00 61.57
090010xx010xxx ③乳房の悪性腫瘍(腋窩部郭清を伴う手術等) 18 13.78 9.77 0.00 67.17
090010xx99x2xx ④乳房の悪性腫瘍(放射線治療) - - 25.66 - -
040200xx01x00x ⑤気胸(胸腔鏡下肺切除術) - - 9.59 - -

①は、原発性または転移性肺癌に対して、胸腔鏡下に肺切除術を行った方です。
②は、乳がんに対する手術として、乳房温存手術または胸筋温存乳房切除術とセンチネルリンパ節生検を施行し、リンパ節に転移なく、腋窩リンパ節郭清を行わなかった方です。
③は、乳がんに対する手術として、胸筋温存乳房切除または部分切除と腋窩リンパ節郭清を行った方です。術後のドレナージが必要で、また乳房切除では創部の注意深い観察と乳房切除後は肩関節の拘縮予防のためのリハビリ、郭清のためのリンパ浮腫予防の指導などを行うため、入院がやや長くなっています。
④は、乳がんの放射線療法などで、副作用の管理と指導などのため、入院で治療を要した患者様です。
⑤は、自然気胸などに対して内科から転科または他院より転院で、胸腔鏡下に破綻した嚢胞性病変の切除術を行った患者様です。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 65 6.91 5.97 0.00 48.92
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 50 1.22 2.47 0.00 51.52
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 49 9.51 9.40 2.04 33.10
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍(腹腔鏡下膣式子宮全摘術、腹腔鏡下子宮筋腫摘出等) 44 7.11 5.88 0.00 49.89
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍(子宮全摘術、子宮筋腫摘出術等) 40 9.75 9.20 0.00 47.28
  • 卵巣腫瘍
    一般に腫瘍が小さいときは無症状のことが多く、日常生活に支障はありません。卵巣腫瘍の付け根がねじれること(卵巣腫瘍茎捻転)があり、激しい下腹痛が出現することがあります。卵巣腫瘍の破裂も同様な症状を認めます。また時に直径20㎝を超えるような巨大腫瘍になることがあり(間違って最近太ってきたと思われることもあるようです)、妊婦のようにお腹が前に突き出ることがあります。腫瘍が大きくなると膀胱や直腸の圧迫による頻尿や便秘、リンパ管の圧迫による下肢浮腫などが起こります。当科では主に腹腔鏡下手術により腫瘍を摘出しています。悪性が疑われるときは基本的には開腹術を行っています。
  • 子宮の良性・悪性腫瘍
    子宮の良性腫瘍には子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがあります。子宮の悪性腫瘍には子宮頸癌、子宮内膜癌があります。子宮の良性腫瘍に関しては自覚症状がなければ経過をみることができますが、子宮の悪性腫瘍は手術が可能であれば手術が必要です。手術の適応がなければ放射線療法や化学療法を行います。子宮の良性腫瘍に関しては適応があれば腹腔鏡下手術あるいはロボット支援下手術を行います。子宮の悪性腫瘍手術は基本開腹手術になりますが、腹腔鏡下手術あるいはロボット支援下手術の適応があれば長崎大学病院に紹介します。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患(片眼) 187 2.12 2.49 0.00 74.32
020200xx9710xx 黄斑、後極変性(硝子体茎顕微鏡下離断術、水晶体再建術) 10 3.20 5.47 0.00 70.60
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患(両眼) - - 4.29 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 - - 4.83 - -
020200xx9700xx 黄斑、後極変性(硝子体茎顕微鏡下離断術) - - 5.58 - -

外来体制、手術体制は前年度と同様ですが、紹介数の増加により、通院治療症例、入院治療症例の両方が増えています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 55 8.02 7.35 0.00 20.71
030428xxxxxxxx 突発性難聴 33 7.94 8.21 0.00 55.45
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 32 7.19 5.84 0.00 56.91
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 21 2.67 3.11 0.00 6.90
030390xx99xxxx 顔面神経障害 15 8.53 8.50 0.00 64.07
  • ①扁桃・アデノイドの慢性疾患
    幼小児期の扁桃・アデノイド肥大は、いびき・呼吸困難の原因となり、また難治性の滲出性中耳炎の原因にもなり、手術適応になる場合があります。成人の慢性扁桃炎も感染を繰り返す場合には予防目的に手術適応となります。
  • ②突発性難聴
    感音難聴の中でも、急性に発症する難聴は加療によって治癒する可能性があります。重症例では、めまいを伴うこともあります。急性期に受診された症例(発症2週間以内)には、入院の上でステロイドホルモンの点滴加療(約1週間)をお勧めしています。
  • ③慢性副鼻腔炎
    慢性副鼻腔炎の保存加療にて治癒困難例に対し、入院の上で全身麻酔下に内視鏡下手術を行っています。症例の重症度に合わせて各手術形式の適応を判断しています。
  • ④滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞
    小児の滲出性中耳炎に対して、全身麻酔下で鼓膜換気チューブ留置術を行っています。通常は1泊2日程度です。成人の難治性滲出性中耳炎に対しては外来で鼓膜切開やチューブ留置を行っています。
  • ⑤顔面神経障害
    末梢性の顔面神経麻痺の中等度から高度の麻痺に関しては、発症1週間以内にステロイド・抗ウイルス薬加療を開始すると有効と言われています。当院では入院を1週間ほどして頂きステロイド・抗ウイルス薬投与を行っています。

神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞(エダラボン) 42 18.67 16.89 42.86 74.26
010060xx99x20x 脳梗塞(リハビリテーション) 39 19.21 16.94 41.03 78.54
010100xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 27 7.85 15.45 11.11 82.56
010230xx99x00x てんかん 18 5.17 6.89 0.00 63.94
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 13 15.92 18.68 46.15 74.54

当科の入院患者の特徴として、脳血管障害に対する急性期診療及び、免疫介在性・炎症性ニューロパチー、てんかん等、全般的に偏りなく診療しているこが挙げられます。ただし、「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」は、免疫グロブリン療法を維持療法として使用している患者がおり、入院患者数の増加に関与しているようです。平均在院日数は全国平均とほぼ同程度となっています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物(皮膚、皮下腫瘍摘出術) 40 2.00 3.77 0.00 55.18
080010xxxx0xxx 膿皮症 36 9.08 12.98 2.78 60.78
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)(皮膚悪性腫瘍切除術等) 32 2.53 6.92 0.00 82.72
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 24 6.75 9.33 0.00 70.54
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.29 - -

皮膚の良性・悪性腫瘍に対する手術を入院の上、手術室で行っています。
急性膿皮症の多くは丹毒、蜂窩織炎といった皮膚の細菌感染症であり、高熱が出たり腫脹や痛みが強い場合には入院して抗生剤の点滴治療を行っています。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウィルスの再活性化により体の片側に痛みを伴う水疱が出る病気で、しばしば入院加療を行っています。
進行性の脱毛症に対するステロイドパルス療法を入院で行っています。
その他にアトピー性皮膚炎、急性蕁麻疹、薬疹、水疱症、難治性皮膚潰瘍などに対して入院管理を行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍(前立腺針生検等) 167 2.17 2.45 0.00 72.63
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍(膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術) 113 9.30 6.81 1.77 73.39
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患(経尿道的尿路結石除去術) 78 7.55 5.16 2.56 66.79
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患(体外衝撃波腎・尿路結石破砕術) 50 2.68 2.40 0.00 57.72
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍(前立腺悪性腫瘍手術等) 43 11.56 11.11 0.00 69.00

令和6年度は前立腺生検の件数が多く、167件行われていました。これは泌尿器科の人員増加が影響していると思われます。
また「経尿道的膀胱腫瘍切除術」や「経尿道的尿管破砕術(レーザー)」、「体外衝撃波腎尿路破砕術」も多く行われています。
全国平均と比較すると「経尿道的膀胱腫瘍切除術」および「経尿道的尿管破砕術」の平均在院日数がやや長い傾向です。当院には県央のみならず島原半島など遠方からの患者さんも多く受診されるため、このような地理的要因が関係していると思われます。
「ロボット支援下前立腺摘除術」の在院日数は全国平均とほぼ同等であり、水準を満たした安全な治療が行われています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 49 - 14 31 - 21 1 8
大腸癌 63 48 48 50 - 18 1 8
乳癌 34 23 - - - 12 1 8
肺癌 49 15 42 107 41 99 1 7,8
肝癌 - - - - - 21 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

  • 令和6年度、胃癌総数は減少傾向にありますが、進行癌の比率が高くなっています。
  • 令和6年度、大腸癌総数が増加し、依然早期癌から進行癌まで広く分散しています。StageⅠ以上は外科治療が中心ですが、StageⅢ以上の進行例、再発例の多くで薬物療法が施行されており、直腸癌に関しては術前治療として放射線、化学療法を行っている症例もあります。
  • 令和6年度、乳癌はやや減少傾向です。初回治療の多くは外科で手術を受けられていますが、再発後は外来で薬物療法を続ける患者さんが非常に多いようです。
  • 令和6年度、肺癌総数に変化はありませんが、StageⅣ・再発症例の割合が多く、手術対象となる症例の割合は低い傾向にあります。
  • 肝癌の診療数はこれまで減少傾向が続いていましたが、令和6年度の診療数は一転増加傾向を示しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 12.50 59.33
中等症 79 15.03 79.25
重症 21 19.24 85.48
超重症 - - -
不明 - - -

患者数が最も多いのは中等症の患者さんですが、総数は前年度と大差ありませんでした。前年度との違いは、マイコプラズマ肺炎の患者さんを認めるところです。今年度はマイコプラズマ肺炎の流行は認められたためその影響と考えられます。なお、中等症以上は平均年齢が高くなっています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 123 19.94 75.99 45.14
その他 21 13.10 77.52 4.17

当院の脳梗塞の患者さんの多くは発症3日以内の急性期脳梗塞です。
頭部MRIは、24時間対応可能であり、入院直後より内服・点滴による加療を行い、発症早期よりリハビリテーションも開始します。
当院では、脳卒中連携パスを使用し、後方病院との連携をとり、脳卒中診療を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 90 5.54 7.53 16.67 72.96
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 14 2.14 29.93 14.29 74.07
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 10 9.00 20.40 0.00 71.00
K6147 血管移植術、バイパス移植術 (その他の動脈) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -

【腎臓内科】
透析に関わる手術に関して、泌尿器科と連携して手術を行う形となっています。
症例数1位の「内シャント術」は、血液透析を行うために必要なシャントの造設を行っています。症例数3位の「連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術」は、腹膜透析を行うために必要なカテーテルを腹腔内に留置しています。症例数4位の「血管移植術、バイパス移植術 (その他の動脈)」は、人工血管や長期留置型ダブルルーメンカテーテルの挿入術を行っています。
【血液内科】
症例数2位は化学療法のためのポート作成目的での入院となっています。血液内では、化学療法を施行する患者さんのうち、血管確保が難しい患者さんに対しては、化学療法前にポート作成を行っております。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 379 0.76 1.08 0.00 68.25
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 98 0.77 11.73 4.08 74.85
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 82 3.27 5.59 14.63 76.93
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 40 3.18 16.95 2.50 69.70
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 36 1.00 6.03 0.00 71.25

大腸ポリープや大腸腫瘍に対して行う「内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術」の症例数は前年度より増加しています。「内視鏡的粘膜切除術」目的の2泊3日入院が典型的ですが、症例によっては1泊2日でも治療可能となったため平均入院日数は短くなっています。
胆道疾患や肝臓疾患に対して行われる「内視鏡的胆道ステント留置術」や総胆管結石に対する内視鏡治療である「内視鏡的胆道結石除去術(乳頭切開術)」があり、施行数はほぼ横ばい~やや増加傾向です。症状があり、急を要する病態であることもあり、増減しにくい手技と思われます。「内視鏡的胆道ステント留置術」は様々な病態で狭窄した胆道にチューブや金属のステントを留置し、胆汁の流れを良くする内視鏡治療です。また、「内視鏡的乳頭切開術」は総胆管結石症例に対する処置で、経乳頭的に結石を除去します。
「抗悪性腫瘍静脈内持続注入用埋込型カテーテル造設」は、主に進行癌に対する化学療法を行うための処置であり、癌患者の増加に合わせて経年的に増加傾向にあります。同処置を行うことで、安全に安易に抗悪性腫瘍薬を点滴できるようになります。
早期大腸癌に対する「早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術」の対象は早期大腸癌に限定されますが、術後入院日数も短く低侵襲的な治療と言えます。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 48 1.31 3.73 0.00 69.15
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 44 2.18 9.86 9.09 82.75
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 34 0.00 13.03 2.94 71.09
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 27 0.19 11.96 11.11 71.81
K597-2 ペースメーカー交換術 16 0.44 6.31 6.25 83.81

循環器内科における手術は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対する冠動脈ステント留置術および冠動脈形成術(薬剤コーティングバルーン)、徐脈性不整脈に対するペースメーカ手術です。急性冠症候群(ACS)に対する緊急手術は61件おこなっています。ペースメーカは新規植え込み、交換を併せて60件おこなっています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 75 1.33 3.93 1.33 68.37
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 75 2.00 5.37 0.00 64.15
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 73 3.79 14.77 5.48 73.42
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 45 1.44 4.60 0.00 44.29
K719-21 腹腔鏡下結腸切除術(小範囲切除、結腸半側切除) 19 4.63 15.32 5.26 64.95

良性疾患で手術症例が多いのは、胆嚢結石等に対する「胆嚢摘出術」と鼠径ヘルニアに対する「鼠径ヘルニア修復術」です。そのほとんどを腹腔鏡を用いて施行しております。虫垂炎に対してもほぼ全例を腹腔鏡を用いて施行しています。
悪性疾患に対する手術で最も多いのは、大腸癌に対する切除術です。結腸癌はその多くを腹腔鏡下手術にて行っており、ロボット支援下手術も導入しています。直腸癌に対してはその多くをロボット支援下手術で行っています。また胃癌に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。
総じて、腹腔鏡を用いた手術を中心に行い、大腸癌に関してはロボット支援下手術が増加しております。
当施設ではできるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 118 1.56 16.34 74.58 79.42
K0483 骨内異物除去術(下腿) 82 0.37 1.98 0.00 53.11
K0462 骨折観血的手術(下腿) 73 0.89 8.93 16.44 57.18
K0811 人工骨頭挿入術(股) 58 1.79 20.00 77.59 83.93
K0821 人工骨頭挿入術(膝) 49 1.53 18.33 77.55 73.98

当院整形外科では救急外傷を積極的に受け入れているため、骨折患者の手術が多いのが特徴です。特に高齢者の大腿骨近位部骨折は多く、受傷早期に手術を行っています。また変形性関節症(膝・股関節)に対しては「人工関節置換術」を行っています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 16 1.25 9.75 37.50 81.81
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) - - - - -
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 - - - - -
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頚動脈) - - - - -

脳血管障害に対しては、「内膜剥離術」・「クリッピング術」・「バイパス術」・「血腫除去術」、頭蓋内腫瘍に対し「開頭腫瘍摘出術」、水頭症に対しては「シャント術」、顔面痙攣および三叉神経痛に対し「微小神経血管減圧術」と基本的手術を幅広くやっております。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 ①乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 21 2.05 6.57 0.00 61.57
K514-23 ②胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 16 3.63 13.44 0.00 69.13
K514-21 ③胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 2.42 8.25 8.33 71.33
K4763 ④乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
K514-22 ⑤胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
  • ① K4762は、乳癌に対する乳房温存手術で部分切除を行い、センチネルリンパ節に転移がなく、腋窩リンパ節郭清手術を行わなかった方です。
  • ② K514-23は、原発性または転移性肺癌に対して、胸腔鏡下に標準手術である肺葉切除またはそれより多くの肺の根治的な切除を受けた方です。
  • ③ K514-21は、原発性または転移性肺癌に対して、肺機能を温存でき侵襲の少ない部分切除術を受けた方です。
  • ④ K4763は、乳癌の患者様で胸筋温存乳房切除術を受け、センチネルリンパ節生検で転移なく腋窩リンパ節郭清を受けなかった方です。
  • ⑤ K514-22は、原発性または転移性肺癌に対して、肺機能を温存でき根治性も考慮した区域切除術を受けた方です。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 81 1.11 4.89 0.00 49.37
K877-2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用) 63 1.10 4.95 0.00 49.94
K861 子宮内膜掻爬術 59 0.03 0.22 0.00 50.86
K877 子宮全摘術 44 1.30 8.86 0.00 51.18
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 41 0.98 7.44 2.44 33.02
  • 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用)
    • 全腹腔鏡下(ロボット支援下)膣式子宮全摘術
      子宮筋腫や子宮腺筋症などの子宮の良性疾患が手術の対象になります。子宮がさほど大きくなく、膣式に回収できる症例に適しています。低侵襲手術であり術後回復が早く入院期間の短縮につながります。またロボット支援下手術に関しては3D視野で手術することができるため、術中出血量の減少につながり、術者の身体的負担が減ることにより最終的には患者さんのメリットにつながります。
  • 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)
    腹腔鏡下付属器摘出術、卵巣腫瘍核出術は良性の卵巣腫瘍が手術の対象となります(悪性が疑われる場合は開腹術を選択します)。若い女性で妊孕性を考え卵巣の一部を温存したい場合は核出術を選択し、そうでない場合は付属器摘出術を行います。摘出臓器は基本的には臍部より摘出します。10㎝以上の大きい腫瘍でも内容を吸引することにより摘出が可能です。妊娠中での手術は14週前後に手術を行い、16週以降になると視野が悪くなり、手術が困難になります。
  • 帝王切開術
    帝王切開術にはあらかじめ日時を決めて行う「予定帝王切開術」と経腟分娩のトラブル(母児の状態が悪化した場合や、分娩の進行不良など経腟分娩が困難と判断)から行われる「緊急帝王切開術」があります。
    • 予定帝王切開術
      前回帝王切開術の既往、子宮筋腫核出術などの既往、骨盤位など胎位・胎勢の異常、前置胎盤(異常出血があるときは緊急帝王切開術の場合もある)など
    • 緊急帝王切開術
      常位胎盤早期剥離、胎児機能不全、重症妊娠高血圧症候群、臍帯下垂・脱出、遷延分娩・分娩停止など、腹壁切開は下腹部縦切開と恥骨上部数㎝を横切開する下腹部横切開法(Pfannestiel法など)があり、子宮筋層は原則として子宮下部横切開を行います。麻酔法は腰椎麻酔・硬膜外麻酔が主流ですが、常位胎盤早期剥離や臍帯脱出など緊急を要する場合は全身麻酔を行うこともあります。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 192 0.15 1.01 0.00 74.43
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 18 0.33 2.11 0.00 67.28
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) - - - - -
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) - - - - -

手術体制は前年度と同じですが、紹介数増加により、全ての手術適応疾患について症例数が増えています。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 ①口蓋扁桃手術(摘出) 34 1.26 6.35 0.00 28.12
K340-5 ②内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型 (選択的(複数洞)副鼻腔手術) 21 1.10 5.48 0.00 55.76
K309 ③鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 20 1.05 0.65 0.00 7.05
K370 ④アデノイド切除術 19 1.00 5.53 0.00 6.63
K6261 ⑤リンパ節摘出術(長径3cm未満) 15 0.07 2.07 0.00 66.20
  • ①口蓋扁桃摘出術
    成人の慢性扁桃炎で急性炎症を繰り返す際、小児の扁桃肥大で夜間の呼吸困難(いびき・無呼吸)などを認める際には手術をお勧めしています。全身麻酔下の手術で術後出血予防のため術後1週間の入院安静を必要とします。
  • ②内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型
    慢性副鼻腔炎の保存加療にて治癒困難例に対し、入院の上で全身麻酔下に内視鏡下手術を行っています。症例の重症度に合わせて各手術形式の適応を判断しています。
  • ③鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術
    小児の難治性滲出性中耳炎に対して全身麻酔下でチューブ留置術を行っております。全身麻酔下で通常は1泊2日です。
  • ④アデノイド切除術
    幼少児において、睡眠時無呼吸や滲出性中耳炎を認める症例においてアデノイド肥大を認めた際、アデノイド切除を行う場合があります。睡眠時無呼吸は口蓋扁桃摘出術、再発性の滲出性中耳炎は鼓膜チューブ留置術と一緒に行うことがあります。
  • ⑤リンパ節摘出術 
    頸部リンパ節の腫脹の原因を調べるために、局所麻酔下にリンパ節を摘出する手術です。治療ではなく、検査のための手術です。術後1-2日入院にて経過を観察致します。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 32 0.03 1.50 0.00 83.13
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) 20 0.00 1.00 0.00 58.60
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 13 0.00 1.00 0.00 46.38
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -

皮膚科では多くの皮膚腫瘍の手術を行っています。
1番多いのは皮膚がんに対する「皮膚悪性腫瘍術」であり、基底細胞癌、有棘細胞癌などが該当します。
2番目に多い「皮膚・皮下腫瘍摘出術」は、粉瘤、母斑細胞母斑、脂漏性角化症などの皮膚の良性腫瘍の手術で、部位や大きさによってKコードが分かれています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 114 2.26 6.54 2.63 73.61
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 77 2.06 4.77 2.60 66.97
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 72 1.38 9.40 9.72 70.33
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 53 0.68 1.23 0.00 56.21
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 43 1.30 9.26 0.00 69.00

当院では、例年100件以上の「経尿道的膀胱悪性腫瘍手術」と80件程度の「経尿道的尿管破砕術(レーザー)」が行われています。県央・島原半島から多くの患者さんが受診されています。これに伴い「尿管ステント留置術」や「体外衝撃波腎尿管砕石術」の件数も多いことが当院の特徴です。
加えて2023年より「ロボット支援下前立腺摘除術」が導入され、積極的に取り組んでいます。件数に表れていませんが、「ロボット支援下腎部分切除術」や「ロボット支援下膀胱全摘除術」、「ロボット支援下腎盂形成術」なども積極的に行っており、泌尿器科でこれまで行われていた腹腔鏡手術はほとんどがロボット支援下手術に置き換わりました。これまでよりも安全で低侵襲な手術が行われています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 18 0.19
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 25 0.26
異なる - -

当院での全症例に対する敗血症は0.25%であり、令和5年度の0.39%と比べて低下し、厚生労働省による令和5年度の全国DPC対象病院データ集計結果より低率となったことから、当院では令和6年度、重症感染症の受け入れは全国平均より低率と考えられます。
一方、手術・処置等の合併症発生率は0.28%で0.63%(全国)に比べてかなり少なく、DPC病名と入院契機病名がほぼ全て同一であり、異なるものは0.02%と少ないことから、術後に重度の合併症を引き起こした患者さんは少ないことがわかります。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1342 1109 82.64

周術期(手術が決まってから術後回復期までの期間)の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。
この指標は、入院時年齢が15歳以上かつ、肺血栓塞栓症発症リスクレベルが「中」以上の手術を施行した症例のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数の割合を示しています。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2073 1485 71.64

広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養を行うことは、望ましいプラクティスとなります。血液培養は1セットのみの場合の疑陽性による過剰治療を防ぐために、2セット以上行うことが推奨されています。
この指標は、血液培養をオーダーした日数のうち、血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数の割合を示しています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
841 570 67.78

近年、新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題になっています。不適切な抗菌薬の使用は耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬投与前の正確な微生物学的診断(適切な検体採取と培養検査)が必要になります。
この指標は、広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数の割合を示しています。

転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
98821 194 1.96

入院中の患者の転倒やベッドからの転落の原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。転倒・転落によって患者に傷害が発生した事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなり、導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
この指標は、退院患者の在院日数の総和のうち、退院患者に発生した転倒・転落の発生件数の割合を示しています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
98821 6 0.06

入院中の患者の転倒やベッドからの転落の原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなり、導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
この指標は、退院患者の在院日数の総和のうち、退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数の割合を示しています。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1495 1495 100

予防的抗菌薬投与とは、開胸、開腹を伴う手術等に対して、手術開始直前に抗菌薬を点滴などあらかじめ投与することです。予防的抗菌薬投与をすることで、手術後の感染を抑えることが期待されています。
この指標は、全身麻酔手術で予防的抗菌薬投与が実施された手術件数のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数の割合を示しています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
95758 40 0.04

褥瘡は患者のQOLの低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化にも繋がります。褥瘡は看護ケアの質評価の重要な指標の1つです。
この指標は、退院患者の在院日数の総和のうち褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の新規発生患者数の割合を示しています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
5865 5241 89.36

早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながります。
この指標は、65歳以上の退院患者数のうち入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数の割合を示しています。

身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
98821 1449 1.47

身体的拘束は制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生じさせる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。
この指標は、退院患者の在院日数の総和のうち、身体拘束日数の総和の割合を示しています。

更新履歴

2025年9月30日
病院指標を公開しました。