当院は長崎県の県央地区に位置する中規模病院で、「入院診療を断らない信頼される病院」を目指した医療を行っています。2021年度の救急患者受入数7,648人(救急車2,782人、ウォークイン4,866人)、1日平均新規入院患者数20人以上、平均在院日数11日という数字に表れている通り、救急告示病院として2次救急医療の中心的役割を果たしています。新幹線諫早駅から徒歩5分以内という立地の良さもあり、島原半島を含む広域から患者さんが診療に訪れます。厚労省の地域医療構想に基づいた病院運営を行い、地域医療支援病院、臨床研修指定病院、日本医療機能評価機構認定病院など多くの施設認定や各種指定を受け、地域連携パス(大腿骨近位部骨折、脳卒中、PCI)の積極的運用など地域医療の中心的役割も担っています。
1953年多良見町に社会保険喜々津病院(50床)として開院し、1961年現在地に移転して以来60年以上の歴史がありますが、「地域への貢献」というメッセージを発信しながら、病院の増床や施設設備を積極的に進めてきました。こうした中で、建て替えに向けた病院余剰資金の積み立て、高額医療機器購入や設備投資、医師を中心とした優秀な職員の確保、就労環境整備、職員への教育に向けた資金の確保を行うために、健全な病院運営に必須である黒字経営を継続しています。これは、医局だけでなく、各部門における病院経営への貢献文化の醸成が大きな役割を果たしています。
近年では、2012年に北病棟からA病棟への立て替えを行い、2014年認知症疾患医療センター開設、2018年圏域最初の3ステラMRI導入と脳疾患センター開設、脳神経外科新設による総合入院体制構築、2022年感染症病床4床新設、圏域最初のロボット支援手術装置ダ・ヴィンチ導入と整備を進めました。2023年にはIMRT(強度変調放射線治療)導入、脳神経外科手術体制構築、眼科常勤医採用を行い、ハード面の整備はほぼ整いました。
今後はソフト面にもさらに目を向け、訪れる患者さんに安心・安全な医療を提供するだけでなく、おもてなしの心を大切にする病院を目指していきたいと思っております。当院を訪れる方に「希望」を与えることができますように、職員が「希望」を持って毎日楽しく働ける職場でありますように、病院が地域医療の最後の砦として「希望」のよりどころとなり、頼れる存在であり続けられますように……当院の職員とともに従来以上に満足していただける病院運営に取り組んでまいります。