令和元年度 JCHO諫早総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 784 196 219 350 519 824 1,690 2,168 1,645 397

当院は地域の急性期医療を担う役割を有している病院であり、昨年度DPC対象者は前年の4%減の8,792人でした。
10歳未満の小児と60歳以降の年代に患者年齢層のピークがあり、2峰性となっています。
一番のピークは70代にあり、25%ですが、それ以降の年代で合計5,900例(67%)と入院患者のいっそうの高齢化が目立ちます。
各年代別で多い疾患を見ると、
10歳未満では小児喘息、気管支肺炎、RSウイルス気管支・細気管支炎などの呼吸器系疾患が大部分であり、
10代では急性虫垂炎、腸炎・胃腸炎、
20代では扁桃炎や急性虫垂炎、妊娠に関連した疾患、卵巣茎捻転などの産婦人科疾患が多く見られました。
30代では子宮頚部異形成や急性虫垂炎、既往子宮手術後妊娠など産婦人科系疾患とが多くなります。
40代では子宮筋腫、結腸ポリープ、尿管結石症、末期腎不全が多く見られます。
50代も40代と類似しており結腸ポリープについで腎不全、尿管結石症、狭心症が多く、これらについで卵巣癌も見られます。
60代には結腸ポリープ、末期腎不全、肺癌、狭心症がほぼ横並びです。
70代では肺癌が105例と最も多く、ついで結腸ポリープ、末期腎不全、前立腺癌、狭心症が多くなります。
80代以降では末期腎不全が最多で、ついでうっ血性心不全、大腿骨骨折が主要な疾患です。
年代別に多い疾患を知ることで、ご自分の健康管理の参考にしていただければと思います。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 79 14.92 11.67 5.06 73.01
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(シャント設置術等/副傷病名なし) 66 15.47 8.48 7.58 71.85
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(シャント設置術等/人工腎臓) 36 31.64 36.04 5.56 67.47
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし/腹膜灌流/副傷病名なし) 35 7.57 8.99 0.00 65.97
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 35 14.80 12.58 11.43 76.51

症例数1位と4位は、慢性腎炎症候群の診断のための腎生検および加療、内シャント設置術をすでに行っている方の透析導入、維持透析の合併症の入院が含まれています。症例数2位と3位は、血液透析導入目的で内シャント設置術、維持透析患者さんのシャントトラブルによる再内シャント設置術が含まれています。内科(腎臓)では、腎臓内科の慢性腎炎症候群の診断、加療、慢性腎不全の透析導入、維持透析の合併症の入院が多くなっています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍(気管支鏡検査等) 136 2.42 3.34 2.21 70.37
040110xxxxx0xx 間質性肺炎(手術・処置なし) 40 17.53 18.84 7.50 72.00
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍(化学療法あり/薬剤指定なし)(定義副傷病あり) 37 21.62 16.87 2.70 70.51
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍(化学療法あり/薬剤指定なし)(定義副傷病なし) 36 16.50 9.59 0.00 69.69
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎(手術・処置なし) 36 20.58 20.84 41.67 85.08

呼吸器内科では肺の悪性腫瘍、主に肺癌の患者さんが多くなっており、症例数1、3、4位が肺癌に関するものです。症例数1位の肺の悪性腫瘍については気管支鏡検査目的の入院であるため平均在院日数が短くなっています。症例数3、4位の肺の悪性腫瘍については化学療法など治療目的の入院であるため平均在院日数がやや長めで平均年齢は約70歳となっています。症例数5位の誤嚥性肺炎は平均年齢が約85歳であり肺炎の加療ではなく嚥下機能訓練なども行うため在院日数が長期化する傾向があります。またADL回復までに時間がかかる症例も多く、リハビリを含め転院率が高くなっています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 322 3.05 2.63 0.00 65.24
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 118 10.70 9.79 6.78 76.25
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 62 11.29 8.27 1.61 71.03
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 46 10.74 8.89 4.35 69.48
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性含む) 43 10.47 10.25 2.33 74.26

消化器内科の最も多い症例は、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡切除であり、短期的・低侵襲的に加療を実施します。次いで胆管結石や胆管炎といった胆道疾患があげられます。胆石で胆管が詰まって炎症が生じた場合は、チューブで胆汁の流出路を確保する(ステント留置)、胆石を除去する(乳頭切開術)などの内視鏡治療を行います。消化管の内視鏡治療として、胃がんに対する治療があります。早期胃がんに対して上部消化管内視鏡を用いて治療を行います。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主な治療法となっています。腸閉塞症例が増加しており、症例に応じてイレウス管留置による減圧術を実施します。改善不良例や絞扼症例には外科手術を実施する事になります。肝・肝内胆管の悪性腫瘍に対して、局所治療、化学療法、胆道ドレナージ術を症例/病態に応じて実施しています。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル検査) 268 2.35 3.01 2.61 69.44
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈ステント留置術等) 89 4.89 4.40 3.37 70.91
050130xx99000x 心不全 89 18.87 17.71 19.10 82.91
050210xx97000x 徐脈性不整脈 50 13.46 10.80 16.00 79.88
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む)、再発性心筋梗塞 39 15.03 12.37 7.69 68.56

循環器内科で最も多い症例は安定狭心症に対する心臓カテーテル検査入院です。検査結果から、現在の投薬継続で良いか、変更・追加が必要か、カテーテル治療が必要か決定します。2番目に多いのが、安定狭心症、不安定狭心症に対するステント植え込み手術入院で、3番目に多いのが心不全による入院です。近年、高齢慢性心不全患者の急性増悪による入院が増加しています。このような患者は不整脈を高率に合併しています。徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み治療が4番目に多く、5番目が急性心筋梗塞になります。

リウマチ科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(手術・処置なし) 36 19.53 15.48 2.78 64.17
070560xx99x01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(副傷病あり) 20 18.85 25.61 0.00 59.40
070470xx99x0xx 関節リウマチ 16 21.38 16.09 18.75 78.63
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) - - 19.29 - -
070560xx99x6xx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患(ガンマグロブリン) - - 25.15 - -

リウマチ科の入院は、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎・多発性筋炎、血管炎症候群などの全身性臓器障害を伴う膠原病疾患が主体です。特に全身性エリテマトーデスは新薬の導入や難治性の皮膚筋炎・多発性筋炎へのガンマグロブリン大量点滴、ANCA関連血管炎へのリツキシマブ投与が増え、年々入院患者数が増加しています。関節リウマチは合併症を伴う高齢者(間質性肺炎、末梢神経障害、関節拘縮)が多くなり、ADL低下しやすくなりリハビリ目的の転院が増加しています。今後も早期に抗リウマチ薬(生物学的製剤を含む)の導入を行い、理学療法をとりいれ早期退院を目指していきます。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 170 5.98 6.19 0.59 0.65
040100xxxxx00x 喘息 100 6.57 6.64 0.00 2.51
030270xxxxxxxx 上気道炎 67 4.87 4.94 0.00 1.81
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 63 3.46 5.39 0.00 4.49
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 60 5.37 5.69 0.00 3.65

当院では、地域の開業医の先生方(主に小児科医)と連携をとりながら診療を行っています。
当科で最も多い症例は肺炎、急性気管支炎、喘息などの呼吸器疾患で乳児例も多くなっています。次に多いのがウィルス性腸炎などの消化器疾患など、感染症によるものが半数以上です。
そのほとんどがかかりつけ医からの紹介による緊急入院で、必要に応じて抗生剤点滴、酸素使用などによる入院治療を行っています。退院後は、かかりつけ医への逆紹介のうえ、外来での経過観察をお願いしております。
その他、当院および地域の産婦人科医とも連携をとり、呼吸障害や感染症などで入院管理が必要な新生児の対応も行っています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 77 6.73 4.85 0.00 70.78
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 52 18.87 15.02 9.62 69.90
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 35 6.63 6.37 0.00 60.40
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 30 7.03 7.13 3.33 64.10
060150xx03xxxx 虫垂炎 23 6.61 5.45 0.00 42.22

鼠径ヘルニアに対しては、鼠径部を切開して行う前方アプローチの手術にくわえ、腹腔鏡下の手術も増加しており、現在では腹腔鏡手術が主体となりつつあります。
癌に対する手術で最も多いのは結腸癌に対する結腸切除術です。その多くを腹腔鏡下手術にて行っています。
胆嚢結石症等に対してもそのほとんどを腹腔鏡を用いて施行しております。
虫垂炎に対しては、症例によっては抗生剤にて治療を行った後に待機的に腹腔鏡下手術を行う症例もあります。
総じて、腹腔鏡を用いた手術を中心に行い、できるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 158 17.43 25.94 80.38 83.76
160760xx97xxxx 前腕の骨折 66 6.95 5.54 10.61 62.15
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 49 16.04 19.40 79.59 77.49
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 29 21.45 17.74 93.10 63.31
160850xx01xx0x 足関節・足部の骨折・脱臼 19 21.26 15.59 21.05 50.32

当院整形外科では、高齢化に伴う骨粗鬆症関連の大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折(前腕骨折)、胸・腰椎圧迫骨折による入院患者がかなり多くなっています。その中でも大腿骨近位部骨折(股関節大腿近位骨折)が最多であり、入院後、早期に手術を行い、地域連携パスを用いて、術後2週を目安にリハビリ病院へ転院できるよう運用しており、全国平均をはるかに下回る在院日数を達成しています。次に多いのが、橈骨遠位端骨折(前腕の骨折)で、転位があるものに対しては、受傷後早期に腕神経ブロックを用いて手術を行い、術後1週前後で自宅へ退院を目標としています。3番目に多いのが、胸・腰椎圧迫骨折(胸椎、腰椎以下骨折損傷)ですが、コルセットによる保存療法を行い、疼痛が軽減し歩行訓練ができるようになったら、リハビリ病院へ転院する運びとなっています。肩関節を専門とする医師が赴任し、肩腱板断裂の手術が定期的に入るようになりました。足関節骨折は転院せずに自宅退院する場合が多いため、全国平均よりは在院日数がわずかですが長めとなっています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(手術・処置なし) 15 9.93 7.34 26.67 58.13
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等) 11 8.45 9.67 27.27 76.27
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日以内、かつ、JCS10未満) - - 16.13 - -
010010xx99001x 脳腫瘍 - - 24.77 - -
010230xx99x00x てんかん - - 7.10 - -

脳神経外科では脳卒中診療を神経内科と協力して行っています。手術やカテーテル治療を要する場合は近隣の高次施設と連携をとって対応しています。最も入院数が多いのは比較的軽症で手術を要さない頭部外傷ですが、穿頭術やドレナージ等の局所麻酔で行える手術は施行しています。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0x 肺の悪性腫瘍(手術あり) 41 17.00 11.51 2.44 70.49
090010xx02x0x 乳房の悪性腫瘍(腋窩リンパ節郭清を伴わない手術) 40 9.78 6.10 2.50 60.60
090010xx01x0x 乳房の悪性腫瘍(腋窩リンパ節郭清を伴う手術等) 17 16.18 10.34 0.00 63.29
040200xx01x00 気胸(手術あり) 13 13.31 10.18 0.00 34.38
090010xx99x4x 乳房の悪性腫瘍(化学療法あり) 11 9.91 4.25 0.00 59.09

①は、原発性または転移性肺癌に対して、根治的な切除手術を行った方です。
②は、乳がんに対する手術として、乳房温存手術でセンチネルリンパ節生検の結果、腋窩リンパ節郭清を行わなかった方です。
③は、乳がんに対する手術として、胸筋温存乳房切除または部分切除と腋窩リンパ節郭清を行なった方です。術後のドレナージが必要で、また乳房切除では創部の注意深いケアと肩関節の拘縮予防のためのリハ、郭清のためのリンパ浮腫予防の指導などを行なうため、入院がやや長くなっています。
④は、気胸の手術目的で内科から転科、他院から転院して、全身麻酔で手術を行った患者様です。
⑤は、乳がんの術前薬物療法の初回などで、副作用の管理と指導などのため、入院で治療しています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍(手術あり) 40 7.60 6.21 0.00 49.50
120090xx97xxxx 生殖器脱出症(手術あり) 37 7.00 8.65 0.00 71.24
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍(化学療法あり) 33 5.70 4.39 0.00 66.52
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 31 7.03 6.09 0.00 47.29
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 30 8.97 9.66 3.33 33.60
  1. 卵巣腫瘍
    一般に腫瘍が小さいときは無症状のことが多く、日常生活に支障はありません。
    卵巣腫瘍の付け根がねじれること(卵巣腫瘍茎捻転)があり、激しい下腹痛が出現することがあります。
    卵巣腫瘍の破裂も同様な症状を認めます。
    また時に直径20cmを超えるような巨大腫瘍になることがあり(間違って最近太ってきたと思われることもあるようです)、妊婦のようにお腹が前に突き出ることがあります。
    腫瘍が大きくなると膀胱や直腸の圧迫による頻尿や便秘、リンパ管の圧迫による下肢浮腫などが起こります。
    当科では主に腹腔鏡下手術により腫瘍を摘出しています。悪性が疑われるときは基本的には開腹術を行っています。
  2. 子宮下垂・子宮脱
    子宮が正常の位置よりも下降したものを子宮下垂といい、これがひどくなり外陰部より子宮の一部または全部が脱出することを子宮脱といいます。
    多くの場合子宮が下降するときは、膣・膀胱・直腸などの臓器を引き連れて下がります。
    程度の軽いものは無症状で、婦人科検診などで指摘されて初めて気づきますが、症状が進むと丸くて硬いものが外陰部に触れるようになり、さらに進行すると排尿障害や排便障害の原因にもなります。
    当科では腹部切開を伴わない膣式手術を行っており、術後は比較的早期に退院できます。また卵巣腫瘍や子宮筋腫を合併している場合は腹腔鏡下手術を併用し、同時に治療することも可能です。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 66 3.00 2.78 0.00 78.68
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

眼科常勤医が令和元年9月で不在となったことから、令和元年度の白内障手術は前年度比1/3と大きく減少しています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 42 8.48 7.80 0.00 22.14
030428xxxxxxxx 突発性難聴 39 6.28 8.93 0.00 56.41
030390xx99xxxx 顔面神経障害 23 7.26 9.13 4.35 53.22
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 19 6.89 7.24 0.00 58.79
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 19 2.05 3.16 0.00 5.37
  1. 扁桃・アデノイドの慢性疾患
    幼小児期の扁桃・アデノイド肥大は、いびき・呼吸困難の原因となり、また難治性の滲出性中耳炎の原因にもなり、手術適応になる場合があります。成人の慢性扁桃炎も感染を繰り返す場合には予防目的に手術適応となります。
  2. 突発性難聴
    感音難聴の中でも、急性に発症する難聴は加療によって治癒する可能性があります。重症例では、めまいを伴うこともあります。急性期に受診された症例(発症1週間以内)には、入院の上でステロイドホルモンの点滴加療(約1週間)をお勧めしています。
  3. 顔面神経障害
    末梢性の顔面神経麻痺の中等度から高度の麻痺に関しては、発症一週間以内にステロイド加療を開始すると有効と言われています。当院では入院を一週間ほどして頂きステロイド投与を行っています。
  4. 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍
    耳下腺や顎下腺の良性腫瘍に対しての手術に関しては、顔面神経麻痺を生じないように顔面神経モニターを使用しながら摘出術を行っています。
  5. 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞
    主に、小児難治性の滲出性中耳炎に対して全身麻酔下にて鼓膜チューブ留置を行います。チューブは平均して2年ほど留置して、その後抜去します。

脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCSS10未満) 24 15.29 16.13 33.33 71.00
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 22 14.09 15.90 31.82 69.27
010230xx99x00x てんかん 16 7.13 7.10 12.50 51.19
010080xx99x001 脳脊髄の感染を伴う炎症 15 15.53 12.00 26.67 56.40
010160xx99x00x パーキンソン病 15 18.27 17.72 33.33 75.73

当科の入院患者の特徴として脳血管障害、てんかんやパーキンソン病等、変性疾患等、全般的に偏りなく診療していることが挙げられます。ただし、パーキンソン病は、既に外来で診断がなされ、入院中は、主に抗パーキンソン病薬の調整やリハビリ目的となります。慢性炎症性脱髄性多発神経炎、一過性脳虚血発作やてんかん等の急性期疾患も増加傾向にあります。ほぼ全国平均と同程度の在院日数となっています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 80 6.29 9.00 1.25 65.99
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 70 2.06 4.01 0.00 51.37
080010xxxx0xxx 膿皮症 45 7.91 12.55 0.00 64.09
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外、皮膚・皮下腫瘍摘出術) 34 2.21 7.90 5.88 77.12
080006xx97x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 17 2.65 10.28 5.88 76.29

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウィルスの再活性化により体の片側に痛みを伴う水疱が出る病気で、しばしば入院加療を行っています。
急性膿皮症の多くは丹毒、蜂窩織炎といった皮膚の細菌感染症であり、高熱が出たり腫脹や痛みが強い場合には入院して抗生剤の点滴治療を行っています。
皮膚の良性・悪性腫瘍に対する手術を入院の上、手術室で行っています。
その他にアトピー性皮膚炎、急性蕁麻疹、薬疹、水疱症、難治性皮膚潰瘍などに対して入院管理を行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 120 2.76 2.49 0.83 72.96
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 89 9.49 7.07 0.00 73.55
11012xxx040x0x 上部尿路疾患(体外衝撃波腎・尿路結石破砕術) 71 3.92 2.64 1.41 60.07
11012xxx020x0x 上部尿路疾患(経尿道的尿路結石除去術) 68 7.85 5.61 0.00 59.40
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患(手術・処置なし) 27 9.81 7.38 11.11 75.15

前立腺悪性腫瘍については、前立腺針生検による入院精査が反映されています。2日入院のクリティカルパスで運用を行っています。膀胱腫瘍、上部尿路疾患(尿路結石)の患者数は県内で上位にはいる数です。在院日数が全国平均より長めですが、ご高齢の方が多いこと、また、島原半島などの遠隔地より来られており、退院後、外来通院がやや困難であることが原因です。順位は昨年度とほぼ変化ないようですが、第3位から第5位は上部尿路結石関連で昨年より増加傾向にあります。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 78 - 29 29 - 34 1 6,7,8
大腸癌 46 26 40 44 - 38 1 6,7,8
乳癌 31 22 - 11 - 29 1 7,8
肺癌 73 17 40 99 65 62 1 7,8
肝癌 - - 12 12 - 38 1 6,7,8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

胃癌は内視鏡治療が適応とされる早期発見例が増加する一方で、発見時すでに進行癌という事例も減少せず二極化の傾向が見られるようです。
大腸癌は継続的に増加傾向を認め、早期癌から進行癌まで満遍なく多く見られます。依然、外科治療が中心ですが薬物療法も進歩しており、進行例、再発例の多くが薬物療法を施行されています。
乳癌も初回治療の多くは外科で手術を受けられていますが、再発後も薬物療法を外来で続ける患者さんが非常に多いようです。
肺癌は外科的治療を受けられる患者さんもそれなりに多いですが、最初からあるいは再発後に薬物療法や放射線治療のために何度も入院治療を繰り返し受けられる方も非常に多いようです。
肝癌は癌の進行度だけではなく患者さんの肝臓の障害度(いたみ具合)に応じて治療法が選択されています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 25 16.92 59.80
中等症 97 14.37 77.92
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -

患者数が最も多いのは中等症の患者さんです。令和元年度は重症と判定された患者さんはいませんでしたが、成人市中肺炎は重症度が上がるほど高齢である傾向が認められ、かつ在院日数も長くなる傾向があります。
また、前医(ご紹介いただいた医院や病院)での治療が奏功しなかったなどの理由で軽症や中等症と判定されても入院加療となることがあり、軽症や中等症が多い理由の一つとなっています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 89 19.61 76.83 37.74
その他 17 13.41 76.29 7.55

当院の脳梗塞の患者さんの多くは発症3日以内の急性期脳梗塞です。患者数としては、増加傾向にあります。入院直後より内服・点滴による加療を行い、発症早期よりリハビリテーションも開始します。
当院で、脳卒中連携パスを使用し、後方病院との連携を行って、脳卒中診療を行っております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 103 6.13 12.82 5.83 70.49
K6082 動脈塞栓除去術(その他)(観血的) 14 0.79 6.79 14.29 72.71
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 13 3.92 6.15 15.38 74.15
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -

内科(腎臓)では、血液透析と腹膜透析の導入の際、泌尿器科の先生と連携してから手術を行って頂いています。
症例数1位の内シャント設置術は、内シャント設置術のみ、内シャント設置術から透析導入までの継続入院、維持透析患者さんのシャントトラブルによる再内シャント設置術が含まれています。症例数2位、3位の経皮的シャント拡張術、血栓除去術、動脈塞栓除去術について、経皮的シャント拡張術は基本的に外来で行っていますが、合併症リスクの高い患者さん、血栓除去術、動脈塞栓除去術については入院の上行っています。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm未満) 278 0.90 1.07 0.00 66.22
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 90 2.43 7.58 6.67 74.31
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) 61 2.13 8.21 1.64 70.82
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 59 1.22 9.20 10.17 75.37
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm以上) 59 0.97 1.36 0.00 63.81

大腸ポリープや大腸腫瘍に対して行う内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の症例数が多くなっています。小径のポリープ病変に限らず、巨大ポリープや側方発育型腫瘍に対しても積極的に内視鏡治療を行います。内視鏡的粘膜切除術目的の2泊3日入院が典型的です。次いで総胆管結石に対する内視鏡治療である内視鏡的胆道結石除去術(乳頭切開術)があり、経乳頭的に結石を除去します。早期胃癌に対する内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)の対象は早期胃癌に限定されますが症例が増加傾向にあり、術後入院日数も短く低侵襲的な治療と言えます。胆道疾患や肝臓疾患に対して行われる内視鏡的胆道ステント留置術は様々な病態で狭窄した胆道にチューブや金属のステントを留置し、胆汁の流れを良くする内視鏡治療です。この治療は、癌による閉塞性黄疸に対して化学療法前に減黄目的で行われたり、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術(乳頭切開術)などの他の手術の前段階として行われることも多く、術後日数がやや長くなる傾向があります。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 62 0.68 3.85 3.23 70.66
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 40 3.30 9.05 15.00 80.45
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 32 0.09 15.94 3.12 68.75
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 26 0.65 7.42 11.54 70.50
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 11 0.00 2.18 0.00 71.45

循環器内科における手術は、安定狭心症に対する待期的な冠動脈ステント留置術が最も多く、それに次いでペースメーカーは新規植え込み術となっています。緊急カテーテルが必要なACS(急性心筋梗塞、不安定狭心症)に対する冠動脈インターベンション(ステント留置術)は年間70件ほど行っています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 65 1.35 4.46 1.54 62.11
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 3.77 14.27 4.55 68.41
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 39 1.74 3.87 0.00 67.95
K6335 ヘルニア手術5.鼠径ヘルニア 37 1.70 4.11 0.00 73.19
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 26 1.08 4.65 0.00 43.35

外科で最も手術症例が多いのは胆嚢結石症等に対する胆嚢摘出術です。
腹腔鏡を用いてできるだけ患者さんにやさしい手術を心がけています。
癌に対する手術で最も多いのは結腸癌に対する結腸切除術です。その多くを腹腔鏡下手術にて行っています。
鼠径ヘルニアに対しては、鼠径部を切開して行う前方アプローチの手術にくわえ、腹腔鏡下の手術も増加しており、現在では腹腔鏡手術が主体となりつつあります。
虫垂炎に対しては、症例によっては抗生剤にて治療を行った後に待機的に腹腔鏡下手術を行う症例が増加してきています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 122 1.98 14.39 72.95 82.44
K0462 骨折観血的手術(前腕) 74 1.23 12.19 22.97 64.62
K0811 人工骨頭挿入術(股) 53 1.62 13.34 83.02 82.79
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 37 0.35 4.73 0.00 53.16
K0821 人工関節置換術(膝) 35 2.09 22.00 45.71 74.40

当院整形外科では外傷を積極的に受け入れているため、骨折患者の手術が多いのが特徴です。その中でも、骨粗鬆症関連の大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折が多く、大腿骨転子部骨折や転位を伴わない大腿骨頚部内側骨折では骨接合術の適応となるため、骨折観血的手術(大腿)が最も多くなっています。また転位を伴う大腿骨頚部内側骨折では多くが人工骨頭挿入術(股)になるのでこれも多くなってきています。橈骨遠位端骨折では屈筋腱断裂を予防する目的で80才未満は半年後の抜釘を勧めております。股関節を専門とする医師の退職、外来診療中止に伴い、人工関節置換術(股)よりも人工関節置換術(膝)が多くなりました。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 10 0.00 12.60 50.00 83.80
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

脳神経外科では脳卒中診療を神経内科と協力して行っています。手術やカテーテル治療を要する場合は近隣の高次施設と連携をとって対応しています。最も入院数が多いのは比較的軽症で手術を要さない頭部外傷ですが、穿頭術やドレナージ等の局所麻酔で行える手術は施行しています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 40 1.88 6.90 2.50 60.60
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 22 3.91 13.36 0.00 70.45
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 13 6.77 5.54 0.00 34.38
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 3.58 10.08 8.33 71.92
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -

①K4762は、乳房温存手術でセンチネルリンパ節生検の結果、腋窩リンパ節郭清手術を行わなかった方です。
②K514-23は、原発性または転移性肺癌に対して、胸腔鏡下に標準手術である肺葉切除またはそれより多くの肺の根治的な切除を受ける方です。
③K5131は、自然気胸などで保存的治療で軽快しない方や再発を繰り返す方に、胸腔鏡下に肺嚢胞を切除する手術を行っています。
④K514-21は、原発性または転移性肺癌に対して、肺機能を温存できる部分切除術を受ける方です。
⑤K4763は、胸筋温存乳房切除でセンチネルリンパ節生検の結果、腋窩リンパ節郭清手術を行わなかった方です。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 66 1.29 4.95 0.00 54.33
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 59 1.92 5.24 0.00 48.36
K861 子宮内膜搔爬術 52 0.04 0.48 0.00 49.33
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 46 3.09 7.02 2.17 33.48
K867 子宮頸部切除術 30 1.07 2.57 0.00 38.30
  • 腹腔鏡下腟式子宮全摘術
    • 腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術(LAVH:laparoscopically assisted vaginal hysterectomy)
      子宮の良性疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症など)を対象とし、
      1. 経腟分娩の既往があるものを原則とします。
      2. 子宮の大きさは小児頭大以下(推定800g以下)とします。
      3. 開腹術の既往があっても手術可能であるが、ダグラス窩の強度の癒着が予想あるいは確認された症例は除外します。
      4. 巨大広靭帯内・頸部筋腫は除外します。
    • 全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH:total laparoscopic hysterectomy)
      LAVHや腟式子宮全摘術など経腟的なアプローチが困難な症例に(未経産症例や既往帝切例など経腟分娩の既往がない症例、子宮内膜症などによる骨盤内癒着を疑わせる症例、子宮が大きくて小骨盤腔に入ってこない症例)適しています。子宮の回収は経腟的ですが、大きくて経腟的に困難である場合は、電動モルセレーターやロトカットなどを使用し回収することもあります。
  • 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)
    腹腔鏡下付属器摘出術、卵巣腫瘍核出術は良性の卵巣腫瘍が手術の対象となります(悪性が疑われる場合は開腹術を選択します)。
    若い女性で妊孕性を考え卵巣の一部を温存したい場合は核出術を選択し、そうでない場合は付属器摘出術を行います。
    摘出臓器は基本的には臍部より摘出します。10㎝以上の大きい腫瘍でも内容を吸引することにより摘出が可能です。
    妊娠中での手術は14週前後に手術を行い、16週以降になると視野が悪くなり、手術が困難になります。
  • 帝王切開術
    帝王切開術にはあらかじめ日時を決めて行う予定帝王切開術と経腟分娩のトラブル(母児の状態が悪化した場合や、分娩の進行不良など経腟分娩が困難と判断)から行われる緊急帝王切開術があります。
    • 予定帝王切開術
      前回帝王切開術の既往、子宮筋腫核出術などの既往、骨盤位など胎位・胎勢の異常、前置胎盤(異常出血があるときは緊急帝王切開術の場合もある)など
    • 緊急帝王切開術
      常位胎盤早期剥離、胎児機能不全、重症妊娠高血圧症候群、臍帯下垂・脱出、遷延分娩・分娩停止など、腹壁切開は下腹部縦切開と恥骨上部数㎝を横切開する下腹部横切開法(Pfannestiel法など)があり、子宮筋層は原則として子宮下部横切開を行います。麻酔法は腰椎麻酔・硬膜外麻酔が主流ですが、常位胎盤早期剥離や臍帯脱出など緊急を要する場合は全身麻酔を行うこともあります。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズ挿入)(その他) 66 0.00 2.00 0.00 78.68
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

眼科での手術は、白内障に対する水晶体再建術のみですが、令和元年9月で常勤医が不在となったことから1/3に激減しており、今後も常勤医が確保できるまで手術は予定されていません。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 37 1.46 6.24 0.00 22.43
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 19 1.00 0.05 0.00 5.37
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 15 1.40 5.53 6.67 52.60
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 12 0.33 6.25 0.00 56.00
K6261 リンパ節摘出術1.直径3cm未満 12 0.17 2.25 0.00 71.75
  • ①口蓋扁桃摘出術
    成人の慢性扁桃炎で急性炎症を繰り返す際、小児の扁桃肥大で夜間の呼吸困難(いびき・無呼吸)などを認める際には手術をお勧めしています。全身麻酔下の手術で術後出血予防のため術後1週間の入院安静を必要とします。
  • ②鼓膜チューブ挿入術
    小児難治性の滲出性中耳炎に対して、全身麻酔下にて鼓膜チューブ留置を行います。チューブは平均して2年ほど留置して、その後抜去します。
  • ③内視鏡下鼻・副鼻腔手術 3型
    慢性副鼻腔炎の保存加療にて治癒困難例に対し、入院の上で全身麻酔下に内視鏡下手術を行っています。症例の重症度に合わせて各手術形式の適応を判断しています。入院期間は通常5-6日となっています。
  • ④扁桃周囲膿瘍切開
    扁桃炎が重症化すると周囲に膿瘍を形成します。保存的加療のみでは重症化する可能性が高く、切開排膿術を行い、抗生剤の点滴加療を一週間ほど行います。
  • ⑤リンパ節摘出術
    頸部リンパ節の腫脹の原因を調べるために、局所麻酔下にリンパ節を摘出する手術です。治療ではなく、検査のための手術です。術後1-2日入院にて経過を観察致します。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部外)1.長径3cm未満 43 0.00 1.00 0.00 45.49
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 36 0.00 1.39 5.56 77.06
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)1. 長径2cm未満 29 0.34 1.48 0.00 59.45
K424 頬悪性腫瘍手術 14 0.00 1.00 7.14 81.07
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)2. 長径2cm以上4cm未満 12 0.33 1.17 0.00 53.92

皮膚科では多くの皮膚腫瘍の手術を行っています。
1番多い皮膚・皮下腫瘍摘出術は粉瘤や母斑細胞母斑(ほくろ)などの皮膚の良性腫瘍の手術で、部位や大きさによってKコードが分かれています。2番目に多いのは基底細胞癌、有棘細胞癌などの皮膚癌の手術です。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 91 2.00 6.93 0.00 73.68
K768 体外衝撃波腎尿管結石破砕術(一連につき) 69 0.36 2.41 0.00 59.62
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 69 4.26 6.20 0.00 60.00
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 43 2.67 7.65 16.28 72.81
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 23 4.30 13.57 0.00 69.70

手術に関しては連年通り、膀胱癌に対する経尿道的手術が最多となっております。また当院の特徴として上部尿路結石(腎・尿管結石)に対する治療として対外衝撃波およびレーザーを用いた経尿道的手術のどちらも選択可能となっており、症例毎に適した治療をお勧めしています。こちらに関しては例年より増加傾向にあります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 34 0.39
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 20 0.23
異なる - -

当院での全症例に対する敗血症は0.39%であり、平成30年度と比べて減少し、厚生労働省による平成30年度の全国DPC対象病院データ集計結果より低くなったことから、当院では令和元年度、重症感染症の受け入れは全国平均以下と考えられます。一方、手術・処置等の合併症発生率は0.23%で0.76%(全国)に比べてかなり少なく、全てDPC病名と入院契機病名が同一であり、入院中に生じたものはなく、入院時から合併されていたということです。合併症の多い患者さんは令和元年度はさらに減少していることがわかります。

更新履歴

2022年9月29日 令和元年度 病院指標を掲載しました。