糖尿病・内分泌内科のご案内

診療・各部門

【糖尿病・内分泌内科】
当院は、日本糖尿病学会教育関連施設として認定されております。

糖尿病の診療について

糖尿病患者は年々増加傾向にあります。様々な合併症(神経障害、網膜症、腎臓病、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞といった別の病気)を起こすことが知られており、それらの合併症は患者さんの生活の質の低下を来たし、健康寿命に大きく影響します。糖尿病治療の目的は、合併症の発症予防や進展抑制により、健康な人と変わらない生活の質や健康寿命を保つことにあります。

治療としては、食事療法、運動療法、薬物療法により成り立っております。当院では、外来診療のみでは患者教育や血糖コントロールの改善が困難である場合、糖尿病教育入院(入院パスにおける入院期間:12日間)を行っています。入院中には、糖尿病食を体験することができ、看護師、栄養士、薬剤師、検査技師など様々なスタッフと連携し、糖尿病教室・栄養指導・フットケアなども行っています。とくに当院には、糖尿病看護認定看護師や日本糖尿病療養指導士が在籍しており、より質の高い糖尿病療養指導を行うことができます。また、24時間持続血糖モニタリング(CGM:Continuous Glucose Monitoring、iCGM:intermittently viewed CGM)やインスリンポンプによる持続皮下インスリン注入療法(CSII:Continuous Subcutaneous Insulin Infusion)も可能です。

糖尿病は症状が乏しく、しばしば治療を自己中断されることがある疾患ですが、入院を通じて食事療法や運動療法の効果・重要性を実感いただき、糖尿病の見識を深めることにより、糖尿病治療の意義を理解いただきたいと考えております。

糖尿病における病診連携について

当院にご紹介いただいた患者さんにつきましては、外来・入院にかかわらず、治療経過が安定した時点で紹介元の先生方にその後の診療をお願いする方針としております。とくに当院に入院された場合、退院後も糖尿病地域連携パスを活用し、かかりつけ医と病診連携(半年おきに栄養指導や合併症の検査など)を行い、県央地区の糖尿病診療レベルの向上に貢献できればと考えております。

当院への紹介基準にご不明な点がござましたら、いつでもお気軽にご相談いただければ幸いです。2018年2月に日本糖尿病学会が「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準(作成:日本糖尿病学会、監修:日本医師会)」を作成しておりますので、ご参考にされて下さい。また、当科は4人体制で診療を行っており、糖尿病性ケトアシドーシスなど急性代謝失調で緊急を要する場合にも迅速に対応することが可能ですので、いつでもご紹介下さい。

院内血糖管理について

当科以外の診療科で入院されていても、既に糖尿病治療を受けている患者さんやステロイドや免疫抑制剤などの治療により新たに糖尿病治療が必要になる患者さんがいます。患者さんが手術を受ける場合、創傷治癒の遅延や創部感染を予防するため、手術後だけではなく、手術前から厳格な血糖管理が必要となります。また、感染症に罹患した場合や癌化学療法および他の疾患の治療にステロイドを使用する場合、普段よりも血糖コントロールが悪化し、治療に支障を来たすため、主治医と連携し、治療が円滑に行えるように入院中の血糖管理を行っています。

内分泌疾患の診療について

ホルモンはヒトが健康に生活を営めるように、恒常性維持(体温や血圧など)、成長、発達、生殖、エネルギー代謝などを調節しています。内分泌内科ではホルモンに関連する臓器・疾患を診療しています。

当院では、甲状腺疾患(バセドウ病、慢性甲状腺炎などの甲状腺機能異常や甲状腺腫瘍など)、副甲状腺疾患(原発性副甲状腺機能亢進症など)、副腎疾患(副腎腫瘍や原発性アルドステロン症、クッシング症候群など)、下垂体疾患(下垂体機能低下症や先端巨大症、中枢性尿崩症など)の診断・治療を行っています。内分泌疾患の診断には内分泌検査を行いますが、1回の血液検査で評価することが難しいこともあり、ホルモンを調節する薬剤の投与前後で複数回血液検査を行うことで、ホルモン調節系全体を評価する内分泌負荷試験を行うことがあります。内分泌負荷試験については外来で行うこともありますが、検査によっては入院が必要になりますので、ご説明させていただきます。

氏名 資格等 外来
永延 佳子 日本内科学会認定内科医 月曜日・水曜日・木曜日
中村 祐太

日本専門医機構認定内科専門医
日本内分泌学会・日本糖尿病学会認定 内分泌代謝・糖尿病内科専門医
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本専門医機構認定 内分泌代謝・糖尿病内科領域研修指導医

火曜日・金曜日(AM)
尾藤 大輔 日本専門医機構認定内科専門医 金曜日(PM)

*甲状腺細胞診 木曜日(PM)

診療実績

入院患者数
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
1型糖尿病 21 14 11 10
2型糖尿病 91 87 60 66
内分泌疾患 13 19 8 13
その他 32 38 39 46
合計 157 158 118 135

※その他:肺炎、腸炎、尿路感染症など

外来紹介患者数
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
259 264 246 294