診療・各部門
目的・概要
目的
教育プログラムに基づいた卒後臨床研修を行うことにより、新卒看護職員が安心で安全な看護ケアを提供するための臨床実践能力を習得する。
概要
1) 対象
看護基礎教育終了後1年以内の新卒看護職員
2) 研修体制
- 新人教育を管理する委員会(研修管理委員会)を設置し、組織的に取り組む。
- 新人研修責任者(看護師長)を専従で1名配置する。
- 新人の配属部署及び新人が研修する部署には、教育担当者を1名配置する。 教育担当者は実習指導者講習会、看護教員養成講習会、認定看護管理者制度、ファーストレベルのいずれかを修了している者があたる。
- 新人看護師には同じ配属部署に実地指導者(従来のプリセプター)を1名配置する。実地指導者は経験年数2年以上で、院内で実施される実地指導者対象の教育研修を受講している者があたる。
- チューターは経験2〜3年目で、相談役として1名ずつ配置する。
3) 役割
新人教育の企画、集合教育の実施、新人看護師全員の研修進捗状況の把握、教育担当者・実施指導者・新人配属部署看護師長との連携
その部署の新人教育の責任者
実地指導者の支援、部署での新人教育計画の企画、新人看護師の成長の評価
世話役、助言者、役割モデル、支援者、指導者
相談役
4) 新人を育てるための環境づくり
- “私たちの仲間”として迎える
- 萎縮させない雰囲気作り 気配り・目配り・声配り
- 新人の役割モデルになる
- 新人がわかる言葉で伝える
- 新人が理解したか、確認する
- あたり前のことでも出来たことを認める
- 美点凝視
部署教育
基本技術の到達目標(104項目)それぞれに評価基準を設定し、 項目毎の自己評価・他者評価を実施(1ヵ月後・3ヵ月後・6ヵ月後・1年後)
経験できていない技術、ひとりで実施するには不安な技術などを明確にし、 1年でほとんどの項目が経験できるように支援する。
新人一人ひとりがステップアップしていけるような目標を3ヶ月毎に設定。 3ヶ月毎の目標は部署のスタッフと共有し、スタッフ全員で支援する。
3ヶ月毎の目標を基に月別目標を新人と共に設定する。
集合教育
■新人看護師が定期的に交流できる場を設ける
■4月は1週間に1回、6月以降は月に1回程度で実施する
■研修内容は、基本技術の到達目標の項目から必要と思われる項目を選択する
■集合教育は勤務時間内に行う。
■講師は専門的な知識・技術を有する職員に依頼する
■病院全体オリエンテーション ■看護部オリエンテーション ■患者対応マナー ■医療安全・感染防止対策 ■安全な患者移乗・移送 ■情報管理と電子カルテ ■看護記録 ■薬に関する基礎知識 ■安全な採血・注射 ■安全な酸素療法・吸引 ■安全な輸液管理 ■PNSについて |
■安全な食事援助 ■安全なインスリン注射 ■電子カルテ運用 ■夜勤開始にあたって ■手紙を書こう |
■メンタルヘルスケア ■救急救命処置 ■心電図の基礎知識 ■3ヶ月の振返り |
■多重課題 ■重症度、医療・看護必要度 |
■電子カルテ運用 ■褥瘡予防 |
■看護計画と看護記録 ■クリティカルパス ■6ヵ月の振返り |
■安全管理 ■安全な輸血療法 ■放射線被ばく予防 |
■多重課題 |
■安全な人工呼吸器 ■災害看護 ■9ヶ月の振返り |
■がん化学療法と放射線治療 ■麻薬の取り扱いとペインコントロール ■緩和ケア |
■退院支援 ■透析療法の基礎知識 |
■1年の振返り ■研修修了式 |
ローテーション研修
すべての新人看護師は手術室・HCU、他の病棟での研修を行います。
ローテーション研修では、そこしか経験できない技術を重点的に経験できるように企画しています。
新人研修体験の感想
令和5年度の新人看護師にアンケートを実施しました。
今後もよりよい新人研修となるように、このアンケート結果に基づき考えていこうと思っています。
- 1年かけて少しずつ学んでいくことで1つ1つをしっかり学ぶことができてよかった。
- 1年間を通して、様々な分野を幅広く学ぶことができたのでとてもよかった。
- 認定看護師の方たちから専門的な知識を学ぶことができてよかった。
- 講義だけでなく、グループワークや演習などもありよかった。
- 毎月新人が集合して講義を受けることや、新人同士で意見交換をできてよかった。
- 半年後ずつ今の状況や思いを新人同士で意見交換することで、励ましになり、前向きになることができた。
- 集合教育やローテーション研修などで自分の部署では学ぶことができない事を学ぶ機会があってよかった。
- チューター、実地指導者、教育指導者など指導体制がきちんとしており、安心して指導をしてもらうことができた。